リン酸吸収係数を用いた汎用的な黒ボク土用改良 RothC (RothC-26.3_vPAC)

タイトル リン酸吸収係数を用いた汎用的な黒ボク土用改良 RothC (RothC-26.3_vPAC)
担当機関 (独)農業環境技術研究所
研究期間
研究担当者 高田裕介
大倉利明
神山和則
小原洋
白戸康人
発行年度 2011
要約 汎用的な土壌特性値であるリン酸吸収係数(リン吸)を用いることにより、土壌炭素動態モデルRothCの黒ボク土用改良モデル(RothC-26.3_v)を再改良しました。この再改良モデル(RothC-26.3_vPAC)は従来よりも汎用性が高く、精度も同等以上です。
背景・ねらい 土壌有機物の集積・分解過程が特異的な黒ボク土に適合するように改良された黒ボク土用改良RothC(RothC-26.3_v)は、測定コストの高いピロリン酸塩可溶アルミニウム含量(Alp)の入力が必要なため、広域的にも生産現場においても適用が難しい状況でした。そこでAlpよりも汎用的な土壌特性値であるリン吸を用いてRothC-26.3_vの再改良を試みました。
成果の内容・特徴
  1. リン吸を用いたモデルの再改良
    リン吸は、腐植画分の分解遅延係数(世界的に用いられている土壌炭素動態モデルRothC-26.3における腐植画分の分解率をどれくらい遅くすれば実測値と一致するかを表す指標)との間にAlpよりもやや強い正の相関関係がありました(図1)。そこで、図1(右図)の関係を組み込んでRothC-26.3_vを再改良し、汎用性の高い黒ボク土用再改良モデル(RothC-26.3_vPAC)を開発しました。
  2. モデルの予測精度の比較
    長期連用試験データを用いて各モデルの予測精度評価を行ったところ、RothC-26.3_vPACの予測精度はRothC-26.3より大幅に高く、RothC-26.3_vと同等かそれ以上でした(図2および表1)。
    長期連用試験の概要:
    北見(1959年開始);堆厩肥・作物残渣施用など7処理区、
    藤坂(1936年開始);化学肥料単用・堆厩肥・作物残渣施用など7処理区、
    塩尻(1938年開始);無施肥・化学肥料単用・堆厩肥・作物残渣施用など10処理区、
    大隅(1988年開始);化学肥料単用・堆厩肥・作物残渣施用など6処理区
  3. 黒ボク土用再改良RothC(RothC-26.3_vPAC)の利活用分野
    わが国の農地土壌の炭素動態の広域評価や、適正な有機物資材の施用量の計算など黒ボク土農地の有機物管理に活用できます。
成果の活用面・留意点 本研究の一部は、農林水産省気候変動対策プロジェクト研究「農林水産分野における温暖化緩和技術及び適応技術の開発」による成果です。
図表1 235264-1.jpg
図表2 235264-2.jpg
図表3 235264-3.jpg
研究内容 http://www.niaes.affrc.go.jp/sinfo/result/result28/result28_18.html
カテゴリ 肥料 気候変動対策 コスト 施肥

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