| タイトル | 地盤改良杭としての間伐材の利用 -間伐材の土木利用拡大を目指して- |
|---|---|
| 担当機関 | (独)森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
原田 真樹 宇京 斉一郎 加藤 英雄 井道 裕史 三浦 祥子 長尾 博文 桃原 郁夫 大村 和香子 |
| 発行年度 | 2012 |
| 要約 | 土木分野における間伐材の利用促進を図るため、地盤改良杭としての利用拡大を目指し、打設した丸太を腐らせない方法を開発し、高い含水率での丸太の強さについて検証し、効率よく丸太をつなぐ方法を開発しました。 |
| 背景・ねらい | 本研究では、土木分野における間伐材の利用促進を図るため、間伐材を地盤改良杭として用いる上での問題解決に取り組みました。まず、打ち込んだ木杭を腐らせないための薬剤を、最も腐りやすいと考えられる木杭上部にまで浸透させる方法を開発するとともに、処理丸太の薬剤が溶け出す量が健康に影響の無い濃度であることを確認しました。また、スギおよびカラマツ丸太について含有水分量による強度性能の変化傾向を把握しました。さらに、丸太を現場で簡単につなぐ方法を開発し、その中で最も強度的性能に優れた方法でつないだ丸太を実際に施工した結果、通常の木杭と同じように施工できることを確認しました。 |
| 成果の内容・特徴 | 地震で地面が液状化や流動化することを抑制するための地盤改良工法の一つとして、多数の杭を打ち込んで地盤を締め固める方法があります。本研究ではこの杭への間伐材の利用拡大を目指すため、下記の問題を解決しました。本研究成果の普及によって、構造物の基礎地盤改良工事や河岸等の盛り土の基礎補強工事に間伐材が有効活用されれば、最大で年間40億円近い新需要の創出が期待できます。 地盤に打ち込まれた木杭の効果を維持させるためには効率的に防腐処理薬剤を丸太へ注入すること、注入された薬剤の環境への溶出が問題の無いレベルであることが必要です。そこで、杭が最も腐りやすくなると考えられる地表近くの杭の上の部分に、エネルギーをできるだけ使わずに薬剤を注入する方法として、含水率の高い丸太を上下逆さまにして薬剤の入った容器に立てて置いておき、丸太が乾くことによる水分移動を利用して、水分と一緒に移動した薬剤を木材中に染み込ませる手法を開発しました(図1)。また、このような処理木材から溶け出す薬剤の量を計測した結果、その濃度は健康に影響しないレベルであることが実証されました(図2)。 打ち込まれた杭は、雨水や地下水などによって、常に湿った状態になることが考えられます。木材は一般的に、含有水分量(木材の場合は「含水率」といいます)が増えると曲がりやすくなったり弱くなったりするため、木杭の設計を行うためには、含水率の高い木材の強さや変形しにくさを調べておく必要があります。そこで、伐採して間もない、含水率の高いスギとカラマツ丸太と天然乾燥によって乾かした丸太のそれぞれについて曲げ試験や圧縮試験を行って強さを比較しました。その結果、丸太の場合、製材と比較して含水率の増加による各強度の低下割合が小さく、丸太の強さは製材よりも含水率の影響を受けにくいことがわかりました(図3)。 打ち込まれる杭が1本の長さで足りる現場ばかりではなく、複数本の間伐材同士をつなぐ必要があるため、現場で簡単につなぐ方法の開発が求められます。そこで、塩ビ管(一般的な水道管)、鋼板(鉄の板)、ステンレス鋼管をジョイントとして、その両側から丸太を差し込み、ラグスクリューボルト(直径12mm、長さ75mmの木ねじ状の接合具)で留め付けるという方法(図4)を開発し、この方法でつないだ丸太の曲げ試験を行って強さや曲がりにくさを確認しました。その結果、鋼管を用いた方法が最も強くなることがわかりました。また、鋼管を用いてつないだ杭について施工実験を行い、継ぎ目のない杭と同じように打ち込むことができることを確認しました(図5)。 継ぎ目のない円柱状の木材を用いた木杭工法のコストは、セメント固化改良工法の約6割といわれています。そして、本研究で丸太をつなぐために用いた資材は、何れも一般的に入手容易なもののみばかりです。従って、本研究の成果である木杭もコンクリート固化工法に対して十分な競争力を有すると考えています。 本研究による成果は、『フロンティア環境における間伐材利用のためのガイドライン -設計指針策定に向けて-』として発行するため、現在編集作業を行っています。 研究資金と課題:農林水産技術会議実用技術開発事業「フロンティア環境における間伐材利用技術の開発」 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| 図表5 | ![]() |
| 研究内容 | http://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/seikasenshu/2012/documents/p14-15.pdf |
| カテゴリ | 乾燥 コスト 薬剤 |
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