東日本大震災が本州太平洋サケ個体群の動態と漁業に与える影響評価

タイトル 東日本大震災が本州太平洋サケ個体群の動態と漁業に与える影響評価
担当機関 (独)水産総合研究センター 北海道区水産研究所
研究期間 2011~2011
研究担当者 渡邉久爾
斎藤寿彦
浦和茂彦
小川 元
清水勇一
佐々木 将
岩淵龍一
新関晃司
発行年度 2011
要約 本州太平洋サケ個体群動態に資する複数モデルを開発し、複数のシナリオの下でモンテカルロ・シミュレーションにより2011年来遊尾数等を試算した。結果、来遊尾数が低水準で、漁獲努力量の復旧率が50%の場合、平均来遊尾数は約920万尾(前年比1.05)、平均漁獲尾数は約540万尾(0.70)、平均河川遡上尾数は約370万尾(前年比3.64)であった。漁獲努力量減少による河川遡上尾数増大が懸念された。
背景・ねらい 被災地域ではサケの漁業や加工業が基幹産業である。東日本大震災により本州太平洋沿岸の多くのふ化場が大きな被害を受け、放流直前だった2010年級サケ稚魚の多くが流失したと推察され、数年後のサケ来遊資源の大幅な減少が強く懸念されている。被災した本州太平洋沿岸におけるサケの親魚捕獲からふ化放流までの増殖体制や漁業の早期復興に向けた計画策定への支援を被災県から要請されている。本研究では、将来のサケ回帰量をシミュレーションにより試算して解決すべき課題を事前に抽出することを目的とする。
成果の内容・特徴 1975-2008年の本州太平洋サケ個体群の年齢別個体数推定値、漁獲尾数および河川捕獲尾数を基に4つのモデルを開発した(図1中の赤字表記)。これらのモデルと年齢構成モデルを合わせた統合モデルを用いて、複数のシナリオの下で2009-2011年の期間の個体群動態を1000回のモンテカルロ・シミュレーションにより試算した。シナリオ分析では、次の3つを外生変数とした:(i)再生産関係(図2);(ii)2-4年魚別成熟率(図3);(iii)漁獲努力量の復旧率。さらに、これらを3つに層化した:(i),(ii)を低水準、平均、高水準;(iii)を50、75、100%。これらを基に7つのシナリオを設定した(表1)。その結果、最も現実に近いと推察されたシナリオS1.2(表1参照)では、2011年における来遊尾数は平均約920万尾(±440万尾(2シグマ)、前年比1.05)、漁獲尾数は平均約540万尾(±270万尾、前年比0.70)、河川遡上尾数は平均約370万尾(±200万尾、前年比3.64)となった(図4)。河川遡上尾数平均値は過去最大なった。シナリオS2.1では、2011年における来遊尾数は平均約1320万尾(±650万尾(2シグマ)、前年比1.51)、漁獲尾数は平均約780万尾(±400万尾、前年比1.01)、河川遡上尾数は平均約540万尾(±290万尾、前年比5.25)となった。
成果の活用面・留意点 増殖体制の計画的復興、サケ沿岸漁業の再構築と効率的経営および河川に遡上するサケ親魚の有効利用といった具体的管理計画の策定の決定に本試算値が数値的根拠として活用されることが期待できる。
図表1 235373-1.gif
図表2 235373-2.gif
図表3 235373-3.gif
図表4 235373-4.gif
図表5 235373-5.gif
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=3426&YEAR=2011
カテゴリ 加工 経営管理

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