| タイトル | 水温がヒラメの最終成熟の進行速度に及ぼす影響の解明 |
|---|---|
| 担当機関 | (独)水産総合研究センター 東北区水産研究所 |
| 研究期間 | 2006~2010 |
| 研究担当者 |
栗田 豊 清水昭男 藤浪祐一郎 |
| 発行年度 | 2011 |
| 要約 | 水槽内で個別飼育し、水温9.2~22.6℃で産卵した雌の卵巣組織を、カニューレを用いて、27~48時間にわたり2~4時間間隔で摘出し、最終成熟過程の経時変化を調べた。卵母細胞の各ステージ(核移動前期、核移動後期、吸水期)および新しい排卵後濾胞の出現状況を調べたところ、水温の上昇に対して、各ステージの持続時間は指数関数的に減少した。この成果は、水温を考慮した産卵頻度推定に活用される。 |
| 背景・ねらい | 親魚個体群の産卵量の推定は、卵数を用いた資源量推定や加入量決定機構の解明に必要な情報である。一産卵期に複数回産卵する魚種では、1回あたり産卵数と産卵頻度(1日あたり産卵回数)から単位時間あたりの個体群産卵量を推定するが、産卵頻度の推定は精度の信頼性が低い場合がある。この要因の一つが、水温の影響である。産卵頻度の推定では、産卵に関連する形質の出現頻度を用いるが、出現状況は、水温や産卵時刻分布の影響を受けて変化する。本研究では、異なる水温下で水槽内産卵したヒラメの卵巣組織を数時間間隔で採集し、最終成熟過程に及ぼす水温の影響を明らかにすることを目的とした。 |
| 成果の内容・特徴 | 5トン水槽で雌を個別飼育した。各水槽には雄2個体を入れた。水温9.2~22.6℃で産卵した雌の卵巣組織を、カニューレを用いて、27~48時間にわたり2~4時間間隔で摘出し、最終成熟過程の経時変化を調べた。卵母細胞を、卵黄球期、核移動前期、核移動後期、吸水期に識別し、各ステージの出現状況と平均細胞径を調べた。あわせて、新しい排卵後濾胞(POFnew)の出現状況を調べた。 その結果、水温が高いほど、最終成熟の進行が早く、各ステージの持続時間は短くなった(図1)。また、POFnewの持続時間も短くなった。各ステージ持続時間は、水温上昇に対して指数関数的に短くなり、水温10℃の上昇に対して約0.3倍となった(図2)。さらに、吸水期細胞径の成長速度は水温上昇に対して指数関数的に増加した(図3)。また、卵径は水温が高いと小さくなった(図4)。以上の結果を用いて、最終成熟各ステージとPOFnewの持続時間を、水温の関数として正確に推定することが可能となった。 |
| 成果の活用面・留意点 | 一産卵期に複数回産卵する魚種は、産卵期が長く、産卵期に幅広い水温を経験する傾向がある。一方、従来の産卵頻度推定方法では、各ステージの持続時間が一定であると仮定している。その仮定では、高水温では実際より長く、低水温では実際より短く持続時間を推定するため、産卵頻度推定値は、高水温で過少評価、低水温で過大評価となった。本研究成果を活用することにより、水温を考慮した正確な産卵頻度推定が可能となった。さらに、産卵時刻分布が産卵頻度推定値に及ぼす影響も関連研究により明らかにした。本成果とあわせて、産卵頻度推定方法の一般化に成功した。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| 研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=3367&YEAR=2011 |
| カテゴリ |
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