北太平洋東経海域における冬季アカイカの分布

タイトル 北太平洋東経海域における冬季アカイカの分布
担当機関 (独)水産総合研究センター 国際水産資源研究所
研究期間 2010~2010
研究担当者 酒井光夫
加藤慶樹
若林敏江
中神正康
発行年度 2011
要約 中型いか釣漁船が冬季に対象とするアカイカの分布と豊度および遊泳行動を明らかにするため表層トロールとバイオテレメトリー調査を実施した。その結果、アカイカは三陸沖漁場以外に南の黒潮続流周辺や東経海域の沖合にも高い分布量が認められ、新たな漁場となる可能性が示唆された。また、イカは南西方向に約1ノットで夜間に水深50~70m、日中に100~150mを南下回遊することがわかった。
背景・ねらい 現在、いか原料は世界的にひっ迫しており、北太平洋沖合のアカイカは極めて重要な資源である。本種は近々批准される可能性が高い『北太平洋海漁業資源の保存および管理に関する条約』(案)によって国際管理下に置かれると想定されている。本種は冬季に中型いか釣り漁船により利用されているが、その分布情報は少なく、さらに開発可能な資源であるかどかの評価がされていない。
本調査は、これまで全く実態が不明であったる厳冬期のアカイカ冬春生まれ群の分布・生態を明らかにし、さらに、漁場近傍におけるアカイカの日周鉛直行動観察を行って厳冬期のアカイカ分布水深と釣獲水深との関係の知見を得ることを目的とした。
成果の内容・特徴
  1. アカイカの分布と豊度:
    本調査の対象とするアカイカは、3月頃には南下して表面水温で21-25℃の海域を産卵場とする冬春生まれ群に相当する。図1に2011年1月21日から3月7日にかけて表中層トロール曳で採集された冬春生まれ群の分布と量を示した。アカイカは漁場に近い東経143度調査ライン上の北緯40度付近で高い分布量が観察された。また、漁場から離れた南方(黒潮続流の表面水温17℃の海域)でも、東経143から151度にかけて高い分布密度が観測された。一方、沖合の東経155度以東では分布の偏りが見られたが、東経164度ライン上の北緯36から37度の黒潮続流15℃前線付近でも高い分布量が見られた。
  2. 漁場近傍での日周鉛直行動:
    超音波発信器をアカイカに装着して、1月16-19日にかけてバイオテレメトリーシステムを用いて漁場付近(北緯39度20分/東経143度)での行動を観察した(図2)。追跡に成功した4個体は、1)南西もしくは西南西方向、2)約1ノット、3)夜間は水深50-75mまたは表層10m、4)日中は水深100-150m、で遊泳回遊することが観察された。これより、漁場付近では北東方向から南下することが示唆された。また、冬季の日中の遊泳水深は100-150mであったことから、既存の報告(北太平洋中央部5-8月には日中に水深300mに潜行)とは異なることが示された。
成果の活用面・留意点 冬のアカイカ釣り漁場とはなっていない黒潮続流域や沖合にも高い豊度が見られ、新たな漁場開発の可能性が示唆された。しかし、黒潮続流域に分布するアカイカは表層に多く群れをなす一方で、釣獲が難しいとされる。また、東経145以東の沖合では、厳冬期の海況の悪さから中型いか釣漁船での出漁が困難であるとされている。これらの課題を克服すれば、原料不足と高価格のアカイカを利用した漁業の展開も期待される。
図表1 235426-1.jpg
図表2 235426-2.gif
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=3373&YEAR=2011
カテゴリ なす

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