ウイルス堆積底泥を活用したヘテロカプサ赤潮防除の可能性

タイトル ウイルス堆積底泥を活用したヘテロカプサ赤潮防除の可能性
担当機関 三重県水産研究所
研究期間 2007~2010
研究担当者 畑 直亜
山田浩且
西村昭史
中山奈津子
外丸裕司
長崎慶三
発行年度 2011
要約 ウイルス堆積底泥を活用した赤潮防除技術(海底耕耘・底泥散布)の可能性について検討するため、ウイルスによる赤潮制御メカニズムを把握するとともに、技術開発に必要な知見を収集した。英虞湾では、既にウイルスが環境中に定着し、赤潮の小規模化や崩壊に寄与しているものと推察された。ウイルス未定着海域などでは、英虞湾の底泥を活用することで、英虞湾と同様のウイルスの定着化が期待される。
背景・ねらい 真珠養殖が盛んな英虞湾では、貝類をへい死させるヘテロカプサ赤潮の防除対策が求められている。最近、英虞湾の底泥中には、ヘテロカプサを殺藻するウイルス(HcRNAV)が高密度に堆積し、長期間残存することが明らかになった。そこで、ウイルス堆積底泥を活用した赤潮防除の可能性について検討した。
成果の内容・特徴
<ウイルスによる赤潮制御メカニズム>
ヘテロカプサとウイルスの相互密度を段階的に変化させた条件下で、ウイルスの殺藻効果や増幅量の変化を調べた(図1)。いずれの条件下でもヘテロカプサの増殖を完全には抑制できなかったものの、相互密度が低い条件でも増殖抑制効果やウイルスの増幅が得られた。現場調査では、赤潮崩壊前にウイルス密度が急増するとともに、赤潮個体群中でウイルス感染が進行したことが推察される状況が捉えられた(図2)。これらの結果から、ウイルスの影響のみでは赤潮を完全には抑制できないものの、ヘテロカプサの増殖抑制因子の一つとして作用することで、少なくとも赤潮の小規模化に寄与し、時に赤潮崩壊に大きな影響を与える可能性があると考えられた。
<ウイルス堆積底泥を活用した赤潮防除の可能性>
ウイルスは湾北東部に高密度に堆積し、翌シーズンまで残存すること(図3)、底泥には感染性が異なる多様なタイプのウイルスが堆積していること(図4)、底泥を-30℃保存することでウイルスの感染性を2年以上維持でき(図5)、さらに有害シストの発芽が抑制できることなどが明らかになった(表1)。しかし、赤潮発生時に実施した海底耕耘や底泥散布の効果試験では、顕著な人為的効果は確認されなかった。英虞湾では、環境中で自然にウイルスが増殖し、その影響が最大限に発揮されているため、人為的に更なる効果を発揮させることは困難と考えられた。
成果の活用面・留意点 HcRNAVによる赤潮防除では、「赤潮の消滅(短期的効果)」よりも「長期的視点での赤潮の小規模化(恒常性維持機能としての働き)」に期待するのが妥当であろう。将来、英虞湾でウイルスが欠乏した際や、ウイルスが未定着の海域などには、凍結保存した英虞湾の底泥を活用することで、海域へのウイルスの定着化が期待できる。
図表1 235457-1.gif
図表2 235457-2.gif
図表3 235457-3.gif
図表4 235457-4.gif
図表5 235457-5.gif
図表6 235457-6.gif
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=3294&YEAR=2011
カテゴリ 病害虫 防除

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