タイトル |
鶏の発育性を促進するコレシストキニンA受容体遺伝子の多型 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 |
2007~2011 |
研究担当者 |
高橋秀彰
佐々木修
武田尚人
小出水規行
力丸宗弘
小松 恵
佐藤妙子
鈴木啓一
上本吉伸
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発行年度 |
2011 |
要約 |
鶏のコレシストキニンA受容体遺伝子(CCKAR: cholecystokinin type A receptor gene)には、発育に強く関連する一塩基多型(SNP: Single Nucleotide Polymorphism)が存在する。この多型は比内鶏や大型会津地鶏などの地鶏における発育性の育種改良に応用できる。
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キーワード |
鶏、発育性、一塩基多型、比内鶏、大型会津地鶏
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背景・ねらい |
地鶏の発育性の育種改良は、西洋種と比べて遅れている。そこで、地鶏の発育性を改善する育種に生かすため、比内鶏や大型会津地鶏を材料にして、発育性に関連する遺伝子を特定し、形質に及ぼす遺伝子型の効果を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 比内鶏のコレシストキニンA受容体遺伝子(CCKAR: cholecystokinin type A receptor gene)には、発育に強く関連する一塩基多型(SNP: Single Nucleotide Polymorphism)が存在する。
- 同SNPは、遺伝子発現を調節する領域(日本DNAデータバンクに登録されたDNA配列AB604331-604335の420番目)に存在し、アデニン(A)とシトシン(C)の組み合わせによる、3つの遺伝子型(A/A、A/CおよびC/C)がある。
- 同SNP発見のために用いた比内鶏集団では、遺伝子型がA/A型の場合、A/C型およびC/C型よりも、平均体重が有意に重く(図1(a))、A/A型個体は、C/C型個体よりも約1割平均体重が上回る。
- 同遺伝子型による効果は、福島県農業総合センター畜産研究所が維持している大型会津地鶏においても、現地実証されている(図1(b))。
- これらのことから、同遺伝子の多型は、比内鶏や大型会津地鶏をはじめとする地鶏の発育性の育種改良に応用できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 普及対象 地鶏生産を担う公立場所、地鶏生産者団体等
- 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等 秋田県、福島県、岐阜県、宮崎県、熊本県、大分県等
- その他 地鶏生産を奨励するにあたり、生産現場からは地鶏の発育性改良の要望が多く、本成果はそれに応えるものである。
- コレシストキニンは食欲抑制ホルモンとして知られており、その受容体として、現在、AおよびB受容体が同定されている。A受容体は、主に腸管に分布し、腸管での満腹感を脳に伝える役割を担う。
- 多くのSNP検出法が報告されており、当該SNPの検出手法は問わない。
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図表1 |
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nilgs/2011/130a0_01_14.html
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カテゴリ |
育種
鶏
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