牛異常産関連オルソブニヤウイルス検出用マルチプレックスRT-PCRの開発

タイトル 牛異常産関連オルソブニヤウイルス検出用マルチプレックスRT-PCRの開発
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
研究期間 2009~2011
研究担当者 山川 睦
白藤浩明
丹羽 毅
梁瀬 徹
加藤友子
発行年度 2011
要約 アカバネ、アイノおよびピートンウイルスをそれぞれ特異的に検出するプライマーを用いたマルチプレックスRT-PCRによって、オルソブニヤウイルスによる異常産の原因を簡便かつ迅速に特定できる。
キーワード 牛、異常産、オルソブニヤウイルス、遺伝子診断
背景・ねらい 反芻家畜に流早死産または体形異常子の出産など、いわゆる異常産を起こすウイルスとしてアカバネおよびアイノウイルスが知られている。近年、アカバネウイルスの流行が全国的に頻発する傾向にあるだけでなく、これらと同じブニヤウイルス科オルソブニヤウイルス属のピートンウイルスが関与したと思われる異常産が九州・沖縄地方で報告されるようになってきている。このようなウイルスの流行状況の変化に的確に対応するためには、常に診断法に改良を加えその精度を高めていく必要がある。本研究では、これまで蓄積してきた野外ウイルス分離株の遺伝子データを基に、牛異常産関連オルソブニヤウイルス3種を簡便かつ迅速に判別できるマルチプレックスRT-PCRを開発することを目的とする。
成果の内容・特徴
  1. 1959年以降分離されたアカバネ、アイノおよびピートンウイルスのM RNA分節(中和抗原Gcをコードする遺伝子)の塩基配列を基に各ウイルスと特異的に反応するようにプライマーが設計されている(表1)。
  2. 現在牛異常産関連オルソブニヤウイルスの遺伝子診断は、S RNA分節の塩基配列を基に作製された共通プライマーを用いたRT-PCRで行われ(図1A)、PCR産物の塩基配列を解読することで種が同定されているが、M RNA分節を標的とした本RT-PCRによって迅速に種を特定することができる。
  3. 3種のプライマーセットを混合し、マルチプレックスRT-PCRを実施すると、アカバネ、アイノおよびピートンウイルス各株からそれぞれ664塩基、568塩基および488塩基の特異遺伝子が検出されるが、交差反応等による非特異的な遺伝子増幅は認められない(図1B)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象 各都道府県家畜保健衛生所病性鑑定担当の獣医技術者
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等 全国の家畜病性鑑定施設
  3. その他 九州各県および2008~2011年にアカバネ病の流行があった県の病性鑑定(ウイルス)担当者から本法に関する問い合わせがあり、すでに一部にプライマー情報と反応条件を提供済み。
図表1 235703-1.gif
図表2 235703-2.jpg
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