| タイトル |
加熱した食用油に生じる有害アルデヒド4-hydroxy-2E-nonenalおよび類縁化合物4-hydroxy-2E-hexenalの定量分析法 |
| 担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 |
| 研究期間 |
2006~2011 |
| 研究担当者 |
箭田浩士
亀山眞由美
|
| 発行年度 |
2011 |
| 要約 |
加熱した食用油に生じる有害アルデヒド4-hydroxy-2E-nonenalおよび4-hydroxy-2E-hexenalの定量分析法を開発した。この方法で天ぷら調理に繰り返し使用した油を調べると、4-hydroxy-2E-nonenalは繰り返し使用の初期に過酸化物価の上昇に遅れて増加した後、やがて頭打ちとなりほぼ一定の値を示す。
|
| キーワード |
4-hydroxy-2E-nonenal (4-HNE)、4-hydroxy-2E-hexenal (4-HHE)、有害アルデヒド、食用油の加熱、安定同位体標識内部標準
|
| 背景・ねらい |
多価不飽和脂肪酸由来の過酸化脂質が分解して生成する4-hydroxy-2E-nonenal(4-HNE、図1左)は、変異原性および細胞毒性を有することが知られている。この4-HNEがフライドポテトの調理でも生成することが報告された。そこで、我が国の天ぷら等の調理における4-HNEの生成の有無や濃度について調べることを目的として、n-6系の多価不飽和脂肪酸から生じる4-HNEに加え、DHAやEPA等n-3系の多価不飽和脂肪酸から生じる4-hydroxy-2E-hexenal(4-HHE、図1右)を定量分析する方法を開発した。この方法を用いて天ぷら調理に繰り返し使用した油の4-HNEおよび4-HHE濃度を調べた。
|
| 成果の内容・特徴 |
- 定量分析法の開発にあたっては、4-HNEおよび4-HHEを他成分と充分分離することと回収率の変動の影響を最小限にすることを目指した。すなわち、安定同位体で標識した内部標準を用いてトリメチルシリル(TMS)誘導体とした4-HNEおよび4-HHEをGC/MSで定量分析する方法を開発した。
- 2つのオレフィンプロトンを重水素で標識した4-HNEおよび4-HHEを有機合成した。重水素標識した4-HNEおよび4-HHEについてTMS誘導体としてGC/MS分析を行い、内部標準として利用出来ることを確認した。
- 開発した方法(図2)では、4-HNEおよび4-HHEを他成分と充分分離して検出することが出来た(図3)。
- 8mm厚のジャガイモに市販天ぷら粉を水で溶いた衣をつけて天ぷら調理する実験を繰り返した際の4-HNEおよび4-HHE濃度と油の劣化指標である過酸化物価(POV)、酸価(AV)を図4に示す。4-HNEおよび4-HHEは繰り返し使用の初期にPOVの上昇に遅れて増加した。これは4-HNEおよび4-HHEが過酸化脂質の分解により生成することと一致していた。4-HNE濃度はやがて頭打ちとなりほぼ一定の値を示したが、4-HHE濃度は頭打ちとなった後に減少傾向が認められた。
|
| 成果の活用面・留意点 |
- 4-HNEの類縁化合物である4-HHEは、4-HNEと同様のメカニズムで生体成分に付加反応を起こすことが知られており、4-HNEと類似の有害性を有している。
- 経口摂取した4-HNEおよび4-HHEのヒトの健康に対する影響については、有害性を示す濃度を含めてまだ明らかにされていない。
|
| 図表1 |
 |
| 図表2 |
 |
| 図表3 |
 |
| 図表4 |
 |
| 研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nfri/2011/180c0_10_01.html
|
| カテゴリ |
ばれいしょ
|