活性酸素消去系酵素遺伝子によるイネ穂ばらみ期耐冷性の強化

タイトル 活性酸素消去系酵素遺伝子によるイネ穂ばらみ期耐冷性の強化
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2008~2011
研究担当者 佐藤 裕
斎藤浩二
小沢憲二郎
発行年度 2011
要約 低温下でのアスコルビン酸過酸化酵素活性の低下を緩やかにした形質転換イネの穂ばらみ期穎花では、原品種と比較して過酸化水素量と過酸化脂質量の増加が抑制されており、穂ばらみ期耐冷性が強化されている。
キーワード イネ、活性酸素、アスコルビン酸過酸化酵素遺伝子、穂ばらみ期耐冷性
背景・ねらい 活性酸素は、低温をはじめとする種々の環境ストレスに生物が晒されたときに細胞内に発生する物質であり、細胞がこれを消去しきれなくなると膜脂質や核酸などが過酸化され、細胞機能に障害が生じる。イネは数種類の活性酸素消去系酵素遺伝子を持っているが、それらのうち、アスコルビン酸を基質として過酸化水素を無害な水に代謝するアスコルビン酸過酸化酵素(APX)遺伝子の発現が低温下では抑制されてしてしまう。そこで、このAPX遺伝子を低温下でも発現するプロモーターに連結して導入することにより、イネの穂ばらみ期耐冷性の強化を試みる。
成果の内容・特徴
  1. イネに存在するAPX遺伝子のひとつである細胞質APXaを低温下でも発現するプロモーター(E0082)に連結して導入したイネ形質転換系統APX1およびAPX12では、穂ばらみ期穎花における低温によるAPX活性の低下程度が原品種(おぼろづき)よりも有意に小さい(図1)。
  2. 形質転換系統APX1およびAPX12では、穂ばらみ期穎花における低温による過酸化水素量の増加が原品種に比べて有意に抑制されている(図2)。
  3. 形質転換系統APX1およびAPX12では、穂ばらみ期穎花における低温による過酸化脂質量の増加が原品種に比べて有意に抑制されている(図3)。
  4. 形質転換系統APX1およびAPX12では、小胞子初期に12℃6日間処理した後の稔実率が原品種よりも有意に高く、穂ばらみ期耐冷性が強化されている(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. イネの穂ばらみ期耐冷性強系統の作出に利用できる。
図表1 235765-1.png
図表2 235765-2.png
図表3 235765-3.png
図表4 235765-4.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/harc/2011/112c0_10_11.html
カテゴリ 品種

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