タイトル | 歴史的水利システムである通潤用水を事例とした水管理技術の再評価 |
---|---|
担当機関 | (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター |
研究期間 | 2010~2011 |
研究担当者 |
島 武男 久保田富次郎 |
発行年度 | 2011 |
要約 | 歴史的水利施設である通潤用水では、支線水路の受益面積に応じて通水断面が規定されており過剰配水が防止できる。また、上井手と下井手の上下二段に配置されている幹線水路を通じて用水が反復利用されている。これらの水管理に対する工夫は、現代の技術にも適用できる。 |
キーワード | 水管理、水利システム、歴史的水利施設、公平性、反復利用 |
背景・ねらい | 農業土木技術は、計画-設計-施工-管理を一つのサイクルとした技術体系である。この中で、現在、設計、施工の技術レベルが他の技術レベルと比較して顕著に高く、管理技術のさらなる向上により土木技術全体が高まる。日頃から水利システムを使用している者(管理者)が、日常に起こる問題点を踏まえ、より使いやすいように作ってきた(設計、施工)歴史的水利システムには、管理技術に現在より力点をおいた「使うための工夫」が数多く施されていることが推察される。そこで、歴史的水利システムの事例として熊本県通潤用水の水管理に関する調査を行った。通潤用水は水源を持たない白糸台地に農業用水を送水するため1854年に建設された水利システムである。受益面積100haに対して、用水量が約0.2t/sと潤沢でないため、合理的な水利用が必要となっている。本研究では通潤用水を対象に、水管理の工夫を整理し再評価することで、管理技術の向上のための基礎的資料とすることを目的とする。 |
成果の内容・特徴 |
|
成果の活用面・留意点 | 歴史的水利システムである通潤用水では、限られた用水を水利システム内に公平に配水する、水利システム内の反復利用等により有効に水を利用する といった水管理の基本に忠実に作られている。これらの基本思想、それに基づく工夫を再評価することは、設計、施工に偏重しがちな現代技術において、管理技術の重要性を再考する契機となる。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
研究内容 | http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/karc/2011/151a3_10_03.html |
カテゴリ | 管理技術 水田 水管理 |