| タイトル | シラカンバの遺伝変異を解明する |
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| 担当機関 | (独)森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
平岡 宏一 那須 仁弥 大谷 雅人 生方 正俊 栗延 晋 高橋 誠 |
| 発行年度 | 2013 |
| 要約 | 中部地方以北の日本各地に分布するシラカンバ天然林から採取したDNAを分析して、北海道、東北日本および関東・中部日本で集団の持つ遺伝子が大きく異なることを明らかにしました。 |
| 背景・ねらい | 成長が速く樹皮が美しいシラカンバは、日本各地に植栽されていますが、そのための種子や苗木の移動に関するルールが定められていないことから、北海道から関東地方へといった広域な種苗の移動が行われた場合、植栽の失敗や地域固有の遺伝変異のかく乱への懸念が指摘されています。シラカンバ種苗の適正な配布区域の策定に向けた基礎情報を集積するため、中部以北の日本各地に分布するシラカンバ天然林の個体から採取したDNAを分析しました。細胞核のDNAを分析したところ、全体的に北海道の集団は本州の集団に比べ遺伝的多様性が高いこと、北海道、東北日本及び関東・中部日本の3つの地域間で集団の持つ遺伝子が大きく異なることが明らかになりました。 |
| 成果の内容・特徴 | 日本のシラカンバシラカンバは、アジア東北部に広汎に生育していますが、日本では北海道と本州の東北地方及び関東・中部地方の3つの地域に分かれて天然分布しています。北海道では海岸近くの低地から山地にかけて広範囲に生育しているのに対し、本州では、東北地方の山地帯や関東・中部地方の高標高域に分布が限定されています。成長が速く樹皮が白色で美しいことから、各地で盛んに植栽されています。適正な種苗の配布区域を定める必要性森林の樹木は他の生物種に比べ、一般的に高いレベルの遺伝的多様性を有しているといわれています。それぞれの地域の集団は、生育する環境に長時間をかけて適応し、その環境に適応した遺伝変異を有していると考えられます。樹木の植栽に際し、地域固有の遺伝変異を無視した種苗を用いた場合、植栽個体の環境不適応(植栽の失敗)や植栽個体と周辺の天然林の個体間で交雑が行われることにより、環境に適した遺伝変異のかく乱(遺伝子かく乱)などといったリスクが高まるとされています。地域固有の遺伝変異に配慮した種苗の選択は、長い進化の歴史を保全するという観点で重要であるだけでなく、植栽に伴うこうしたリスクを回避することにもつながると期待されます。このようなことから、対象とする樹種に最適な種苗配布区域を定める必要があります。遺伝的変異の地理的な傾向シラカンバの日本の天然分布地域を網羅する北海道から岐阜県にかけての天然林46集団を対象に、シラカンバの細胞核のDNAを分析し、集団の遺伝的な違いを解析しました。全体的に北海道の集団が本州の集団に比べ遺伝的多様性が高い傾向がみられ、それぞれの集団の持つ遺伝子の割合を日本地図上に表してみると、北海道、東北日本及び関東・中部日本といった3つの天然分布のまとまりに従って大きく異なっていることが明らかになりました(図2)。また、同時に行った葉緑体DNAの分析の結果でも、北海道で多様性が高いことが明らかになりました。今回得られた結果は、開葉時期などの生育する環境への適応に直接関係する特性の情報とともに、シラカンバの種苗配布に関するガイドラインの策定に活用していきます。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 研究内容 | http://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/seikasenshu/2013/documents/p56-57.pdf |
| カテゴリ |
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