ニホングリ品種「ぽろたん」の易渋皮剥皮性の遺伝様式

タイトル ニホングリ品種「ぽろたん」の易渋皮剥皮性の遺伝様式
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
研究期間 2004~2011
研究担当者 高田教臣
西尾聡悟
山田昌彦
澤村 豊
佐藤明彦
平林利郎
齋藤寿広
発行年度 2012
要約 ニホングリ品種「ぽろたん」の渋皮剥皮性は単一遺伝子座における劣性の主働遺伝子pによって支配されている。これがホモ型(pp)となった場合に易渋皮剥皮性となる。
キーワード ニホングリ、ぽろたん、渋皮剥皮性、遺伝
背景・ねらい ニホングリ品種「ぽろたん」は、易渋皮剥皮性であるという画期的な形質を持っている。しかし、本形質の遺伝様式は不明であるため、「ぽろたん」に続く易渋皮剥皮性品種の計画的な育成は難しい。今後、易渋皮剥皮性を有するニホングリ品種の育成を効率的に行うために、交雑実生集団の渋皮剥皮性の難易からその遺伝様式を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 交雑実生集団の各個体について、190℃の食用油中で2分間加熱した果実を用いて渋皮剥皮性を評価したところ(図1)、「ぽろたん」と同じ交雑組み合わせである550-40×「丹沢」から得られた実生59個体の渋皮剥皮性は難:易が47:12に分離し、「丹沢」×「ぽろたん」の実生39個体は19:20に分離する。また、「丹沢」×「筑波」の実生20個体および「筑波」×「ぽろたん」の実生40個体からは易渋皮剥皮性の個体は出現しない。この結果は、「ぽろたん」の易渋皮剥皮性が単一遺伝子座における劣性の主働遺伝子pによって支配されており、「ぽろたん」はこれをホモ(pp)に、「丹沢」および550-40はヘテロ(Pp)に持ち、「筑波」は持たない(PP)とした場合に推定される分離比である3:1、1:1および1:0にそれぞれ矛盾しない(表1)。
  2. 「ぽろたん」の易渋皮剥皮性は単一遺伝子座における劣性の主働遺伝子pによって支配されており、「ぽろたん」はこれをホモ(pp)に持つことから易渋皮剥皮性となっていることが推定される。
成果の活用面・留意点
  1. 易渋皮剥皮性遺伝子pを持つ「ぽろたん」、「丹沢」、550-40を相互に交雑することで次世代において易渋皮剥皮性個体の獲得が可能になる。また、「筑波」を用いた交雑からは次世代で易渋皮剥皮性個体は獲得できない。
図表1 235955-1.png
図表2 235955-2.png
図表3 235955-3.png
図表4 235955-4.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/fruit/2012/142a0_01_01.html
カテゴリ 品種

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