タイトル |
植物工場における短期栽培キュウリの多収化 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所 |
研究期間 |
2011~2012 |
研究担当者 |
東出忠桐
後藤一郎
鈴木克己
安場健一郎
塚澤和憲
安東赫
岩崎泰永
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発行年度 |
2012 |
要約 |
太陽光利用型植物工場でのキュウリ短期栽培では、品種と整枝法を選ぶことにより2.5倍以上の大幅な収量増加ができる。この多収化は果実への乾物分配率および総乾物生産の増加による。総乾物生産の増加には受光量の増加と光利用効率が高いことが重要である。
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キーワード |
受光量、乾物分配、乾物生産、太陽光利用型植物工場、葉面積指数
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背景・ねらい |
わが国のキュウリの生産では、生産者の高齢化や担い手不足による生産基盤の弱体化が進んでいる。モデルハウス型植物工場実証・展示・普及事業では生産物重量当たりの生産コストの3割削減が求められており、これを達成するには収量の大幅な増加が必要である。キュウリの生産基盤の再生、また、植物工場産野菜の多様化を図るために植物工場によるキュウリ生産が期待されることから、収量構成要素面から多収化要因を解明し、収量を大幅に増加させる技術を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 植物工場でのキュウリ短期栽培では、品種と整枝法を選ぶことにより大幅な収量増加が可能となる(夏秋キュウリ統計値10a当たり5t→12.8t)。整枝法を比較すると、つる下ろし栽培よりも摘心栽培の場合に著しく収量が多い(図1)。
- 受光量と地上部総乾物生産との間には直線的な相関関係があり、この回帰直線の傾きが光利用効率(受光量当たりの乾物生産の効率)となる。総乾物生産の増加には、受光量を増やすこと、および光利用効率の高いことが重要である(図2)。
- 短期栽培の多収化には、果実の乾物率の違いは関与しておらず、乾物収量の多いことが貢献している。乾物収量が多いことは、栽培期間全体でみると、果実数の多さにより果実への乾物分配率が多いこと(摘心:0.77~0.81、つる下ろし:0.70~0.72)、および高い光利用効率により総乾物生産が多いことによる。ただし、栽培初期に限れば、光利用効率よりも、葉面積指数の違いに起因する受光量の多少が収量に関与している(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 用いる品種や栽培法に制約がある場合も、受光量を早く増やし、光利用効率の高いものを選択することで多収化を図ることができる。受光量を増やすには、施設内の光を増やし、葉面積を増やせばよい。施設内の光は、骨材の少ないハウスの使用、被覆資材の改良あるいは洗浄、補光によって改善できる。葉面積の増加は、栽植密度を高めること、高温管理などによる葉の展開促進で可能である。
- 太陽光利用型植物工場・つくば植物工場実証拠点では、噴霧耕方式で年間3作のキュウリ短期栽培を行っている。ここに示したデータは、細霧冷房を利用して7~10月に行った抑制作型ものである。整枝法としては、3~4本の側枝を伸ばしつる下ろしを行う場合と主枝を第20節、側枝を第2節で摘心する場合を比較しており、栽植密度は1平米当たりそれぞれ0.99および1.48個体である。
- 果実への乾物分配率に影響する果実数は、節の増加速度と相関がないことから、節当たりの着果数に影響を受けたと考えられる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/vegetea/2012/141a0_01_01.html
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カテゴリ |
きゅうり
コスト
品種
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