日本国内では少なくとも6血清型のブルータングウイルスが分離されている

タイトル 日本国内では少なくとも6血清型のブルータングウイルスが分離されている
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
研究期間 2008~2009
研究担当者 白藤浩明
梁瀬 徹
加藤友子
山川 睦
発行年度 2012
要約 1985~2008年に国内で分離されたブルータングウイルスRNA分節2の解析結果は、少なくとも血清型2、3、9、12、16および21の6血清型が国内に侵入したことを示している。
キーワード ブルータングウイルス、血清型、分子系統樹解析、アルボウイルス感染症
背景・ねらい ブルータングはヒツジ、ウシ、ヤギ、シカおよび野生の反芻動物での熱性疾患であり、我が国では家畜伝染病予防法により届出伝染病に、国際獣疫事務局ではリスト疾病に、それぞれ定められている。本疾病の病原ウイルスであるブルータングウイルス(Bluetongue virus:BTV)にはこれまで26の血清型が確認されており、アジアおよびオーストラリアには16の血清型が報告されている。しかし、我が国に存在するBTVの血清型は、そのほとんどが不明である。
現在、BTVの血清型特異抗原VP2をコードするRNA分節2の遺伝子解析によって、その血清型を同定することが可能となっている。本研究では、BTV日本国内分離株の血清型を同定することを目的として、RNA分節2を対象とした遺伝学的解析および分子系統樹解析を実施する。
成果の内容・特徴
  1. 供試株(1985~2008年に国内で分離された14株)および血清型参照株(血清型1~24)のRNA分節2の塩基配列から作成した分子系統樹において、供試株は遺伝子型B、C、E、GおよびIの5つに分類され、また、血清型2、3、9、12、16および21のいずれかの血清型参照株に近接して分類される(図1)。
  2. 各供試株と、それらの株に最も近接して分類された上記6つの血清型の参照株との間で高い相同性が認められ、その相同性は核酸およびアミノ酸配列でそれぞれ68.79~99.00%、73.30%~99.37%である。
  3. 上記の結果より、BTV国内分離株は上記6つの血清型に分類される。
成果の活用面・留意点
  1. 少なくとも6つの血清型が国内で分離されたことが判明したことから、由来の異なるウイルス株が海外から侵入しているものと考えられる。
  2. BTVの国内分離株の血清型が明らかになったことから、ブルータングが発生した場合に、より的確な診断および防疫対応が可能となる。
図表1 236092-1.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/niah/2012/170e2_01_29.html
カテゴリ シカ 山羊

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