「べにふうき」茶葉中に含まれる抗アレルギー物質ECG3"Me

タイトル 「べにふうき」茶葉中に含まれる抗アレルギー物質ECG3"Me
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所
研究期間 2012~2012
研究担当者 山本(前田)万里
立花宏文
物部真奈美
発行年度 2012
要約 エピカテキン-3-O(3-O-メチル)ガレート(ECG3"Me)は、エピガロカテキン-3-O-(3-O-メチル)ガレート(EGCG3"Me)より強くマスト細胞からのヒスタミン遊離を抑制する。ECG3"Meは「べにふうき」に多く含まれ、EGCG3"Me含有量と相関する。
キーワード ECG3"Me、ヒスタミン遊離抑制、「べにふうき」緑茶
背景・ねらい 「べにふうき」には、抗アレルギー物質であるEGCG3"Meが多く含まれているが、EGCG3"Meだけでは「べにふうき」の示すヒスタミン遊離抑制作用を説明できない。そこで、「べにふうき」茶葉中の新たなヒスタミン遊離抑制物質を探索し、その物質含有量を茶品種間で比較する。
成果の内容・特徴
  1. 「べにふうき」茶葉熱水抽出液中に含まれているカテキン類のマスト細胞からのヒスタミン遊離抑制活性は、ECG3"Me>GCG3"Me(EGCG3"Meの熱異性体)、EGCG3"Me>GCG(EGCGの熱異性体)、CG、EGCG>ECG>EGC>GCの順に強く(図1)、ECG3"Meは、今までヒスタミン遊離抑制物質として知られていたEGCG3"Meより強い抑制活性を示す(P<0.05)。
  2. 「べにふうき」茶葉中のECG3"MeとEGCG3"Me含有量は、正の相関関係を示す(r=0.803)(図2)。
  3. ECG3"Meは、測定した47品種中「べにふうき」に最も多く含有されており、三番茶の「べにふうき」には1.05%含有されている(表1)。EGCG3"Meを含まない品種は多いが、ECG3"Meはほとんどの品種に少量ながらも含まれている。
成果の活用面・留意点
  1. 「べにふうき」緑茶は、ヒト介入試験にて季節性・通年性アレルギー性鼻炎の症状軽減効果、アトピー性皮膚炎用ステロイド薬の使用量軽減効果が認められており、主要な抗アレルギー物質はEGCG3"Meであることが示されている
    (農研機構研究成果情報;
    http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/vegetea/1998/vegetea98-61.html
    http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/vegetea/2003/vegetea03-08.html
    http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/vegetea/2005/vegetea05-04.html )。
  2. 本報で示す抗アレルギー作用は、初期アレルギーで主要に働くマスト細胞刺激時のヒスタミン遊離抑制活性である。
  3. ECG3"Meが「べにふうき」に多く含まれ、EGCG3"Me含有量と相関することは、「べにふうき」緑茶の強い抗アレルギー作用に寄与していると考えられる。
図表1 236148-1.png
図表2 236148-2.png
図表3 236148-3.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nfri/2012/310c0_01_03.html
カテゴリ 品種

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