食品・農産物評価のためのテクスチャー用語体系

タイトル 食品・農産物評価のためのテクスチャー用語体系
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所
研究期間 2007~2012
研究担当者 早川文代
神山かおる
風見由香利
井奥加奈
阿久澤さゆり
西成勝好
馬場康維
山野善正
発行年度 2012
要約 官能評価の評価用語を迅速・的確に設定できる用語体系である。テクスチャー要素の観点から分類された日本語テクスチャー用語445語からなり、用語の対象食物名の情報を付した。食物名、用語、要素から検索できるデータベースとして広く利用できる。
キーワード 官能評価、テクスチャー(食感)評価、用語
背景・ねらい 食品や農産物のテクスチャー評価は、多彩な消費者のニーズに対応した食品の開発を進めるため、また、ジャパンブランドの農産物の品質の優位性を客観的に示すために必須である。テクスチャー評価において官能評価は欠かせないが、適切な評価用語(評価項目)の設定が難しいため、評価精度や再現性の向上が困難な状況にある。 これまでに、日本語のテクスチャー用語を収集し、公開した(2006年度普及成果情報)。その後、用語が対象とする具体的な食物やテクスチャー要素に関する情報のニーズが多く寄せられた。そこで、官能評価における迅速かつ的確なテクスチャー用語の設定に貢献するため、テクスチャー要素、対象食物名の情報を含めた用語体系を構築する。
成果の内容・特徴
  1. 本用語体系は、445語のテクスチャー用語と、対象として935品目をカバーする食物名を含んでいる。用語分類は、大分類3、中分類15、小分類64からなる階層構造となっており、各分類にはテクスチャーの要素が命名されている(図1)。本用語体系は、食物名からも、用語からも、要素からも検索できるデータベースとして利用可能である(図2)。
  2. 対象食物名は、選抜・訓練を受けた十分な経験のある官能評価員(パネリスト)18名が、各用語について描写対象として思いつく限り列挙した食物名を集約したものである。農産物から加工食品まで多岐にわたり、料理名も、原料名も含んでいる。
  3. 大分類である力学的特性、幾何学的特性、その他の特性(水・油脂に関する特性)は、ISO11036 Texture Profileの3要素と対応している。また、分類は食品テクスチャー分野の研究者96名へのアンケートおよびその解析結果に基づき決定した、新規の分類手法によるものである。
  4. テクスチャー用語の中には、複数の意味あるいは複合的な意味で使われる用語もあるため、大分類においては用語の重複を許している。すなわち、2つ以上の大分類に属している用語もある。
  5. 本用語体系は、官能評価における用語設定だけでなく、食品テクスチャーに関する情報の共有や発信に用いる用語の選定にも有効である。
  6. ただし、特定の食物で慣習的に用いられている用語、従来のテクスチャーではない試料等への利用については、適宜、現場での修正が必要である。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:食品の開発および研究等、テクスチャーの官能評価を行う機関
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:数十機関からの利用が見込める。また、本用語体系を利活用する共同研究を数件予定している。
  3. その他:本用語体系をデータベースとしてホームページ上で公開している。すでに、食品企業、機構内外の研究機関、行政機関等から多くの問い合わせがある。
図表1 236150-1.png
図表2 236150-2.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nfri/2012/310d0_01_56.html
カテゴリ 加工 データベース

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