ウシは採食および反芻行動中に血中遊離脂肪酸濃度が減少する

タイトル ウシは採食および反芻行動中に血中遊離脂肪酸濃度が減少する
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
研究期間 2011~2012
研究担当者 小松篤司
東山由美
深澤 充
押部明徳
加藤和雄
発行年度 2012
要約 ウシに自動採血装置を用いることにより5分間隔で採血を行う事ができる。このため採食に加えて反芻行動時の血液の変化を捉えることができる。反芻行動には血中遊離脂肪酸濃度の減少がおこる。
キーワード ウシ、採血装置、反芻行動、遊離脂肪酸、グルコース
背景・ねらい ウシの反芻動物の採食中に成長ホルモンや遊離脂肪酸の濃度が減少することは多く報告されているが、反芻中のホルモンや代謝産物濃度の変化は調べられていない。これは反芻行動が採食行動とは異なり、その発生が短時間かつ不定期で制御できないこと、また、人による短い間隔での連続採血が困難であることが大きな理由である。本成果では自動採血装置を導入し、5分ごとに採血することにより採食および反芻行動時における血中代謝産物やホルモンの変動を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 自動採血装置(エイコム社製DR-Ⅱ)をウシの上方に設置し、ウシ頚静脈に挿入したカテーテルと接続し適切なプログラムを組むことにより5分間隔で血液を採血することができる(写真1)。機械連結部とカテーテル挿入部間のチューブを1.5mにし、かつチューブを保護するパイプを用いることにより起立横臥が発生してもトラブル無く採血することができる(写真2)。
  2. 採食行動に加えて反芻行動時においても遊離脂肪酸濃度の一時的な減少が認められる。この現象は全てのウシの全ての反芻行動時に認められる(図1)。血液中の遊離脂肪酸はストレスによって上昇すると言われているため、反芻行動により一時的にリラックス状態が誘起されたことを示唆するものである。
  3. 採食行動時に血液中のグルコース濃度が断続的に減少する事が認められる。この減少は採食が終了するまで継続する。また、反芻行動時においてもグルコース濃度が減少する傾向が見られる(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. ウシに対する自動採血装置の導入で実験者が採血中にウシの側に立ちストレスを与えることを防ぐことができる。
  2. 起立横臥が発生しても採血を継続できるため、採食や反芻行動だけでなく多くの行動パターンを計測しながら採血し、変化を捉えることができる。
  3. 5分間隔で採血を行う場合採血可能な最大量は1.5mlである。
図表1 236199-1.png
図表2 236199-2.png
図表3 236199-3.png
図表4 236199-4.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/tarc/2012/120d2_01_25.html
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