多収で極晩生の一季成り性イチゴ品種「豊雪姫」

タイトル 多収で極晩生の一季成り性イチゴ品種「豊雪姫」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
研究期間 2005~2012
研究担当者 片岡 園
由比 進
本城正憲
岡本 潔
森下昌三
矢野孝喜
濱野 惠
発行年度 2012
要約 一季成り性のイチゴ品種「豊雪姫」は寒高冷地の無加温半促成栽培(低温カット栽培)および露地栽培に適しており、多収性で商品果率が高い。炭疽病に対して中程度から高い抵抗性、うどんこ病に中程度の抵抗性を有する。
キーワード 一季成り性イチゴ、露地栽培、無加温半促成栽培、新品種
背景・ねらい 寒高冷地の無加温半促成栽培(低温カット栽培)および露地栽培に適した既存品種「北の輝」は、硬度が高く日持ち性は高いが、そう果(種子)の浮き等の果実品質や収量に改良の余地があるため、これらに着目した一季成り性で優良なイチゴ品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「豊雪姫(とよゆきひめ)」は、2005年に盛岡32号(「北の輝」×「Chandler」)に「カレンベリー」を交雑した実生集団から選抜した一季成り性品種である。「北の輝」と比較すると、大果で果数が多く多収で商品果率が高く、寒高冷地の無加温半促成栽培(低温カット栽培)および露地栽培に適する(表1および図1)。
  2. 果形は円錐で果皮色は赤であり、揃いに優れる(表1および図2)。そう果の浮きや果実の割れ、空洞は少なく、果色の黒変は見られない。「北の輝」よりBrix.はやや低く、酸度はやや高く、食味はやや優れる。
  3. 炭疽病に対しては、発病度と枯死株率が「宝交早生」と同程度であり、中から高い抵抗性、うどんこ病に対しては「とよのか」より発病度が低く、中程度の抵抗性である(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 系統名はイチゴ盛岡35号である。
  2. 十分にランナーを発生させるためには、5℃以下の低温遭遇時間が1,000~1,200時間程度必要である(露地で越冬させた場合)。
  3. 露地栽培での開花開始は「北の輝」と同程度か遅く、極晩生である。
  4. 低温カット栽培における保温開始時期や低温遭遇量は「北の輝」に準ずる。「北の輝」より、低温にやや多く遭遇しても連続出蕾しやすい。
  5. 萎黄病には抵抗性を持たないため、発生地では土壌消毒が必要である。
  6. うどんこ病には中程度の抵抗性を示すが、地域によっては発病しやすいため防除に努める。
  7. 果実硬度が「北の輝」より低いため、適熟での収穫に努める。
図表1 236200-1.png
図表2 236200-2.png
図表3 236200-3.png
図表4 236200-4.png
図表5 236200-5.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/tarc/2012/141f0_03_10.html
カテゴリ 病害虫 萎黄病 いちご うどんこ病 新品種 多収性 炭疽病 抵抗性 土壌消毒 品種 防除 良食味

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