タイトル |
簡易空撮気球による作物草高の推定と圃場3D画像の作成 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター |
研究期間 |
2009~2011 |
研究担当者 |
村上敏文
由比真美子
天羽弘一
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発行年度 |
2012 |
要約 |
簡易空撮気球で撮影したステレオ画像と写真測量ソフトを用いて画像解析を行うと、作物の草高がほぼ推定でき、圃場の3D画像が作成できる。ソバの事例では、早期に微少な倒伏傾向がわかり、任意の区画の平均草高や平均傾斜角度を計算できる。
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キーワード |
簡易空撮気球、ソバ、草高、倒伏、画像解析
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背景・ねらい |
広域の作物生育調査には、人工衛星、航空機、気球等による空撮が有効である。そのうち草高測定は、航空機カメラやレーザー測量による方法が知られているが、撮影日時の自由度やコストの点で利用が難しい。そこで、簡易空撮気球(2009年度成果情報)に写真測量法を組み合わせて草高推定と3D画像作成を行い、生育解析に役立てようとする。
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成果の内容・特徴 |
- 簡易空撮気球(全長2.2m、体積0.56m3)に装着した小型デジタルカメラ(1200万画素)で高度50-60mから圃場をステレオ撮影し、画像と指標の3次元座標を写真測量ソフト(Image Master Photo Ver.2.4)に取り込むと、2枚の画像に写った同じ物体の視差から作物の草高を計算でき、3D画像を合成できる(図1)。座標は指標間の距離を測ってCadソフト(Jw cad Ver.6.21a)で圃場地形図を描き算出する。
- 草高の推定精度は概ね良好である(図2)。実測草高値に対する推定値の割合は、播種後29日が99±3.4%(平均と標準誤差)、42日が92±2.8%、70日が72±2.4%であった。70日では推定値全体が実測値より平均で18cm低くシフトしていたが、圃場内の倒伏の相対的な比較は可能である。
- 3D画像は自由な視点から観察を行うことができる。ソバでは地上ではわからない生育初期の微少な傾きも、立体的に把握できるので(図3)、品種の耐倒伏性の早期評価に役立つ。また、任意の区画の平均草高値や平均傾斜角度も推定できるので、生育解析に役立つ。例えば、ソバでは倒伏が少ない「にじゆたか」は角度が大きく、倒伏が多い「階上早生」は角度が小さく、倒伏状況によく対応していた(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 写真測量では原理上、空撮画像に草冠より下の部分が写るとその高さが測定され、推定草高が低くなる。その程度は、植物種、草型、生育時期によって変動するので注意する。ソバの播種後70日では、画像上で草冠の黒褐色の子実が認識されにくく、落葉により植物の下方が写ったため、推定草高が低くなったと考えられる。
- 推定傾斜角度は、処理区ごとにArcSin (推定草高平均/直立草高平均)で計算した。但し、推定草高は一般に実測草高より低くなり、直立草高も変動幅を考慮する必要があるので、角度の絶対値とそれに基づく倒伏指標の算出は、今後の検討課題である。
- 画像解析が可能な面積は、地上解像度の限度を5cmとして最大で3ha程度になる。なお、気球を掲揚する時は、必ず事前に係留索の劣化の有無を点検し安全確認を行う。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/tarc/2012/153a1_01_01.html
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カテゴリ |
コスト
そば
播種
品種
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