暖地・温暖地向きの高消化性で紫斑点病に強いソルガム新品種「SUX109-1」

タイトル 暖地・温暖地向きの高消化性で紫斑点病に強いソルガム新品種「SUX109-1」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2005~2012
研究担当者 高井智之
春日重光
我有 満
桂 真昭
山下 浩
上床修弘
波多野哲也
近藤 聡
野宮 桂
小山内光輔
小槙陽介
発行年度 2012
要約 「SUX109-1」は中生のソルゴー型ソルガムで高消化性(bmr-18)および紫斑点病抵抗性遺伝子(ds-1)を持っている。高消化性品種「秋立」に比べて紫斑点病が発生しやすい暖地・温暖地での適応性に優れ、再生性にも優れるため年間乾物収量がやや高い。
キーワード ソルガム、紫斑点病、高消化性、中生、飼料作物育種
背景・ねらい ソルガムでは、品質向上のため高消化性遺伝子(bmr)を利用している。しかし、育成された高消化性品種の多くは、病害虫の発生が甚だしい暖地・温暖地では、その特性を十分に発揮しているとは言えない。とくに、紫斑点病が激発した場合、収量および品質の低下が著しい。そこで、暖地・温暖地で適応性を高めるために紫斑点病抵抗性(ds-1)および高消化性遺伝子(bmr-18)を併せ持つ中生ソルゴー型ソルガム品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「SUX109-1」は子実型ソルガムの細胞質雄性不稔系統「那系MS-3A」を種子親とし、ソルガム自殖系統「03SK4 3-1-1」を花粉親とするソルゴー型の単交雑一代雑種である。
  2. 「SUX109-1」は、晩生品種「秋立」より約10日早く出穂し、"中生"に属する(表1)。暖地・温暖地では8月中旬までに1番草を収穫することで、2番草も晩秋に出穂する(図1)。
  3. 1番草の平均乾物収量は「秋立」対比103%、2番草の平均乾物収量は「秋立」対比154%、年間の平均乾物収量は「秋立」対比111%である(表1)。
  4. 地域別では、暖地の宮崎(雪印)および熊本(九州研)で乾物収量が「秋立」より多収、温暖地の千葉(雪印)で「秋立」並、寒冷地の長野で「秋立」よりやや劣る(図2)。
  5. 乾汁性は、乾性で、乾物率は「秋立」より高い(表1)。
  6. 紫斑点病抵抗性遺伝子(ds-1)を有しているため、病斑は認められない(図1、表1)。すす紋病抵抗性は「秋立」よりやや強い(表1)。
  7. 「秋立」と同じ高消化性遺伝子(bmr-18)を有し、推定リグニン含量および推定TDN含量は「秋立」並である(表1)。
  8. 初期生育は「秋立」より優れている。稈長および稈径は「秋立」並である。
  9. 刈り取り2週間後の再生性は「秋立」よりやや優れ、刈り取り2週間後の再生草丈は「秋立」より高い(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 暖地・温暖地に適し、紫斑点病が発生しやすい地域で能力を発揮できる。
  2. アブラムシが著しく発生した場合・地域、あるいは著しい発生が予想される場合・地域では、早めに収穫する。
図表1 236235-1.png
図表2 236235-2.png
図表3 236235-3.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/karc/2012/120b0_03_05.html
カテゴリ 育種 害虫 飼料作物 新品種 ソルガム 抵抗性 抵抗性遺伝子 品種

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