飼料用トウモロコシを基幹作物とした九州北部向け飼料輪作、2年5作体系

タイトル 飼料用トウモロコシを基幹作物とした九州北部向け飼料輪作、2年5作体系
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2009~2012
研究担当者 加藤直樹
原田直人
桂 真昭
服部育男
村木正則
山田明央
発行年度 2012
要約 飼料輪作2年5作体系の九州北部での2年間の推定TDN収量は慣行の二毛作体系よりも22%高い。またトウモロコシ二期作体系との比較でも6%高く、慣行の作付体系よりも多収が望める。
キーワード 輪作、2年5作、飼料作物、暖地
背景・ねらい 大規模飼料生産組織の運営に当たっては単収の高い草種・品種を利用すること、また、効率的に作業を行うため、播種期、収穫期等の季節的な集中を分散できる多様な輪作体系が必要である。特に近年では気温が上昇傾向にあるため、草種・品種の組み合わせを見直すことで、より多収の作付体系を提案できる可能性がある。そこで九州北部向けの多収体系として飼料用トウモロコシを基幹作物とし、飼料用麦類等を組み合わせ、圃場を高度利用する2年5作体系を提案する。
成果の内容・特徴
  1. 2年5作体系はトウモロコシ二期作、飼料用麦類等の冬作(11~12月播種、5月収穫)、晩播トウモロコシ、飼料用麦類等の秋作(9月播種、12月~1月収穫)を2年間に行う飼料輪作体系である。同一経営内において1年目の作付体系および2年目の作付体系を並行して行うことで、慣行のトウモロコシ二期作やトウモロコシとイタリアンライグラスの二毛作体系のみを行う場合と比較し、播種期、収穫期等の作業分散が計れる(図1)。
  2. 2年5作体系でトウモロコシと組み合わせる主要な草種のエンバク、オオムギ、イタリアンライグラスを比較すると、九州北部においては冬作ではイタリアンライグラス「優春」(図2a)、秋作ではオオムギ「ハヤドリ2」のTDN収量が高い傾向にあり(図2b)、本作付体系に適している。
  3. 多収草種・品種を用いた2年5作体系の乾物収量は6,123kg/10a(図3a)、TDN収量は4,319kg/10aで(図3b)、トウモロコシ-イタリアンライグラス二毛作体系のTDN収量と比べて22%、トウモロコシ二期作との比較では6%高く、慣行の作付体系と比較して多収が望める。
成果の活用面・留意点
  1. 九州北部地域の排水良好な畑地での飼料輪作に適する。
  2. 飼料用麦類等の草種・品種については栽培地の環境条件や給与する畜種に適した草種、品種を利用する。
  3. 飼料用麦類等の栽培で安定的に多収をあげるため、播種日から収穫日までの単純積算気温が冬作では1,500℃程度、秋作では1,300℃程度確保できる地域が導入の目安となる。
  4. 秋作でイタリアンライグラスにいもち病が発生する恐れのある場合には飼料用麦類を用いる。
図表1 236237-1.png
図表2 236237-2.png
図表3 236237-3.png
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/karc/2012/120c1_01_08.html
カテゴリ イタリアンライグラス いもち病 経営管理 飼料作物 飼料用作物 とうもろこし 二毛作 播種 品種 輪作 輪作体系

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