| タイトル | 東日本大震災後の岩手県沿岸における麻痺性貝毒による貝類の毒化 |
|---|---|
| 担当機関 | 岩手県水産技術センター |
| 研究期間 | 2011~2012 |
| 研究担当者 |
加賀新之助 |
| 発行年度 | 2013 |
| 要約 | 岩手県大船渡市では、チリ地震津波の翌年に、大船渡湾産アカザラガイにより死者1名を含む20人の麻痺性貝毒による中毒事故が起きている。そこで、この教訓を東日本大震災後の迅速な貝毒対策に生かすため、本湾の貝毒原因プランクトンと貝毒の監視を強化したことにより、中毒事故を未然に防止した。 |
| 背景・ねらい | 岩手県大船渡市では、チリ地震津波(1960年)の翌年に、大船渡湾産アカザラガイにより死者1名を含む20人の麻痺性貝毒による中毒事故が起きている(図1)。そこで、この教訓を東日本大震災後の迅速な貝毒対策に生かすため、本湾の貝毒原因プランクトン(以下、原因プランクトン)と貝毒の監視を強化することをねらいとする。 |
| 成果の内容・特徴 | 1.大船渡湾内において、原因プランクトンを観測したところ、アレキサンドリウム属のタマレンセが確認された(図2)。永沢地先において、5月13日の表層から下層までタマレンセが海水1リットル当たり18万~68万細胞と大量発生した。その時の水温は、 9~11℃であった。国内においては、これまでに愛知県の三河湾や広島県の呉湾、大阪府の大阪湾などでタマレンセの大量発生が確認され、大船渡湾の過去最高は、10万細胞である。これらは、水温の高い時期に大量発生しているが、本研究で発生したタマレンセは、 水温の低い時期に大量発生した点で違いがあった。一方、6月1日に同一地点で採取したムラサキイガイからは、機器分析法により、195-977 nmol/g (553±252 nmol/g, n=6) の毒量が検出された。マウス毒性に換算すると364-1,764 MU/g中腸腺 (1,006±444 MU/g中腸腺, n=6) と極めて高い値となった。これは、国の監視強化の基準値 (20 MU/中腸腺)の50倍である。 2.大船渡湾の観測地点において、原因プランクトンであるディノフィシス属の大量発生は観察されなかった。貝類の中腸腺毒量をマウス毒性に換算すると、清水定点では、0.02-0.04 MU/g中腸腺 (0.03±0.01 MU/g中腸腺,n=6)、永沢地先では、0.03-0.1 MU/g中腸腺 (0.06±0.03 MU/g中腸腺, n=6)と国の監視強化の基準値である0.5 MU/g中腸腺を下回る低レベルであった。 |
| 成果の活用面・留意点 | 岩手県の主導により被災地住民に情報を提供し、自家消費中毒を未然に防止するための注意を促す。 出荷責任団体である岩手県漁業協同組合連合会が二枚貝の出荷自主規制措置を講じることで、チリ地震津波後に発生した中毒事故の教訓を関係機関に周知する役割を果たす。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| 研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4519&YEAR=2013 |
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