タイトル |
ネギ葉身内部の粘液は経口投与によりマウス免疫系を活性化する |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所 |
研究期間 |
2011~2013 |
研究担当者 |
上田浩史
竹内敦子
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発行年度 |
2013 |
要約 |
ネギの葉身内部に分泌されている粘液は、マウスに経口投与することにより生体防御機能を担うマクロファージ、ナチュラルキラー(NK)細胞を活性化し、免疫機能を高める。
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キーワード |
ネギ、粘液、免疫活性化、マクロファージ、NK細胞
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背景・ねらい |
ネギは免疫活性増強作用のある民間薬として用いられてきたが、科学的根拠に基づいた解析はなされていない。そこで、ネギの抽出物の免疫活性化作用について培養細胞系およびマウスへの経口投与により解析し、機能性素材としてのネギの有用性を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- ネギの葉身内部に分泌される水溶性粘液(図1)は、葉身部に蒸留水をかけ手でしごくことで容易に採取でき、「下仁田」ネギでは1本あたり約3gの粘液凍結乾燥粉末が得られる。
- マクロファージ様細胞株J774.1細胞(1×105cells/200μL/well)にネギ葉身部(緑葉部)、葉鞘部(軟白部)の抽出物または粘液凍結乾燥粉末を添加すると、粘液凍結乾燥粉末(1000μg/mL)を添加した場合にのみインターロイキン-12産生量が高まる(図2)。
- 粘液凍結乾燥粉末(10mg/400μL)をマウスに2回(2日間)経口投与すると、腹腔マクロファージからのインターロイキン-12産生量(図3A)と貪食活性(図3B)が高まり、粘液はin vitro だけでなくin vivo においてもマクロファージを活性化する。
- 粘液凍結乾燥粉末(5~10mg/400)μL)をマウスに2回経口投与すると、脾臓ナチュラルキラー(NK)細胞の活性が高まる(図4)。
- マクロファージは異物を早期に認識し排除する細胞であり、活性化するとインターロイキン-12等の産生量や貪食活性が高まる。また、NK細胞は癌細胞やウイルス感染細胞の排除に与る細胞であり、インターロイキン-12により活性が高まる。したがって、これらの作用は免疫系の活性化経路に沿った一連の現象である。
- 以上の結果は、ネギにはマクロファージやNK細胞を活性化することにより免疫機能を高める作用があること、および、その活性が葉身内部に分泌されている粘液にあることを示している。
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成果の活用面・留意点 |
- ネギ粘液は100°C、60分間加熱しても上記の免疫活性化作用は失われないので、ネギ葉身を加熱調理しても有効である。
- ネギの品種間で活性の強弱は有るが、特定の品種に限定される活性ではない。
- マウスでの効果であり、ヒトへの応用はさらに検討が必要である。
- 本成果は粘液含有部位である葉身部の摂食の推奨およびレシピ開発、活性の高い品種開発、粘液の機能性素材としての利用に繋がる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/vegetea/2013/vegetea13_s13.html
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カテゴリ |
乾燥
機能性
ねぎ
品種
品種開発
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