そば・麦の導入による耕作放棄地の再生利用実施計画の作成手順

タイトル そば・麦の導入による耕作放棄地の再生利用実施計画の作成手順
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究所
研究期間 2011~2013
研究担当者 芦田敏文
唐崎卓也
遠藤和子
福与徳文
発行年度 2013
要約 再生農地のそば・麦の土地生産性の評価に応じて再生主体を選定し、再生主体にとっての労働生産性を評価して再生農地を選定する。土地生産性が低い再生農地にも、簡易な土地改良、生産物の加工販売等の取組により、そば・麦の導入が可能な場合がある。
キーワード 耕作放棄地再生利用緊急対策,土地生産性,労働生産性
背景・ねらい 耕作放棄地再生利用緊急対策の実施に必要となる再生利用実施計画の作成において、再生農地への導入作物は重要な決定事項の一つである。本成果では、労働時間が相対的に少なく、かつ現行(2013年)の経営所得安定対策を条件に一定の所得が期待できる点から、そば・麦を導入作物として取り上げる。具体的な再生農地・再生主体の選定にあたって、(1)そば・麦の土地生産性および労働生産性の観点からの再生農地の評価、(2)営農能力の観点からの再生主体の評価が必要となる。そこで、耕作放棄地の再生事例における再生農地・再生主体の選定過程から、上記の評価要素の関係性を整理し、耕作放棄地の再生利用実施計画の作成手順として提示する。
成果の内容・特徴
  1. 畑の耕作放棄地(開畑地区)の再生事例(図1、表1)、および転作田の耕作放棄地(傾斜地水田地区)の再生事例(図2)から、そば・麦の導入による耕作放棄地の再生利用実施計画の作成手順のフロー・チャートが整理できる(図3)。
  2. まず、そば・麦の収量・品質に直接影響する再生農地の土地生産性を、排水性等の指標により評価する。
  3. 土地生産性の評価が高い再生農地(排水性が比較的良好な畑など)に対しては、主に経営の効率性の観点から再生主体を評価し、選定(あるいは設立)する。次に、その再生主体にとっての再生農地の労働生産性を連担性、アクセス性、機械作業性等の指標で評価し、優先すべき再生農地を選定する(表1)。同時に再生農地周辺の既耕作地の集積が可能な条件にあれば、農地の面的集積による効率的な生産基盤を実現できる(図1)。
  4. 土地生産性の評価が低い再生農地(排水性が悪い転作田など)に対しては、明きょ・畝たて等簡易な排水性の改善方策や、加工販売等の生産物の高付加価値化の取組の追加的対応が可能かどうかの観点から再生主体を評価し、選定する必要がある。次に、その再生主体にとっての再生農地の労働生産性を前述の諸指標で評価し、再生農地を選定する。機械作業が不可等、労働生産性の評価が著しく低い再生農地に対しては、保全管理等、より粗放的な農地利用の検討が必要である(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 耕作放棄地の再生利用実施計画の作成における参考情報として活用できる。
  2. 本成果は、2つの再生事例から、耕作放棄地の再生利用実施計画の作成手順の一例を示したものであり、全ての再生利用実施計画に必要不可欠という性質のものではない。
  3. 本成果で示した手順は、事業に付帯する基盤整備については自主施工程度の簡易なものまでとすることを前提としている。
  4. 2014年度に予定されている経営所得安定対策の見直しに留意する必要がある。
図表1 236620-1.jpg
図表2 236620-2.jpg
図表3 236620-3.jpg
図表4 236620-4.jpg
図表5 236620-5.jpg
図表6 236620-6.jpg
図表7 236620-7.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nkk/2013/nkk13_s20.html
カテゴリ 加工 経営管理 傾斜地 高付加価値 水田 そば 排水性

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