農業機械上での通信制御の国際標準化を簡単にするソフトウエアライブラリ

タイトル 農業機械上での通信制御の国際標準化を簡単にするソフトウエアライブラリ
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2011~2013
研究担当者 濱田安之
奥野林太郎
長坂善禎
西脇健太郎
元林浩太
寺元郁博
発行年度 2013
要約 ISO 11783に準拠した情報通信機能を農業機械上のECU(電子制御ユニット)に簡単に実装するためのソフトウエアライブラリを開発した。基本的な情報の入出力、情報表示・操作用端末との通信、車両速度等の送受信、自動制御装置との通信等の機能を有する。
キーワード 農業機械、ECU、ソフトウエア、ISO 11783、プロトコルスタック
背景・ねらい 農業機械の情報通信を共通化するために、国際標準(ISO 11783)に準拠したデータ通信・制御をより簡易な2ピンの接続コネクタを適用して行うことを提言し、これを元に日本農業機械工業会規格が制定された。あわせて国際標準に対応した農業機械用電子制御ボードも開発されており、本ボードを組み込んだ電子制御ユニット(ECU)用ソフトウエアの開発が待たれていたが、ISO 11783は複雑なプロトコルを持ち、これに対応したECU用ソフトウエアの開発・改良には多大な労力を必要とする。 このため、ISO 11783に準拠した情報の入出力を行うECU(電子制御ユニット)の内部に組み込むソフトウエアを簡単に開発できるよう、基本的な情報の入出力機能等をまとめたプロトコルスタックと呼ばれるソフトウエアライブラリを開発する。
成果の内容・特徴
  1. 本ソフトウエアライブラリはC言語(一部C++言語)で記述されている。対応するコンパイラー、マイクロコントローラ等については表1に示す。CANインターフェースによる情報入出力と時刻計測に関する箇所を変更するだけで、比較的容易に他の実行環境に対応可能である。現在本ライブラリが実装している機能の概要を表2に示す。
  2. ECU用ソフトウエアの開発における本ソフトウエアライブラリの利用については、ECU用ソフトウエアのメインループ(通常の計測制御処理を行うプログラムの繰り返し処理ルーチン)の中に一行書き加えるだけでISO11783に準拠した通信処理機能を追加できる(図1)。
  3. 各種センサー、トラクタ、作業機等の情報の参照は、必要な情報を大域変数として宣言し、ECU用ソフトウエアの初期化時にその所在を登録することにより行う。一旦登録すると自動的に大域変数の更新と情報の送信が行われ、ECU用ソフトウエアの開発者が情報の送受信に関するプログラムを書く必要はない。
  4. 現在、本ソフトウエアライブラリを適用して、1)既存農業機械搭載用トラクタECU(TECU)、2)ブロードキャスタ用ECU、3)ブームスプレーヤ用ECU、4)共通化リモートコントローラ、5)ロボットトラクタ搭載用ロボット作業ECU、6)ロボット用防除機ECU、7)ロボット用施肥・播種機ECUが開発されている。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:農業機械メーカー、ソフトウエアメーカー等
  2. 普及台数等:実用化に向けた話し合いをメーカーと開始。来年度中に作業機2機種への搭載とトラクタECUの実用化が見込まれ、ソフトウエア利用実施契約3件以上が締結される予定。
図表1 236646-1.jpg
図表2 236646-2.jpg
図表3 236646-3.jpg
図表4 236646-4.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/harc/2013/13_050.html
カテゴリ 病害虫 自動制御 施肥 通信制御 播種 防除 ロボット ロボットトラクタ

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