黒毛和種繁殖牛では緩慢な黄体退行は鈍性発情の原因となる

タイトル 黒毛和種繁殖牛では緩慢な黄体退行は鈍性発情の原因となる
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2011~2012
研究担当者 竹之内直樹
阪谷美樹
福重直輝
伊賀浩輔
志水学
発行年度 2013
要約 黒毛和種繁殖牛では暑熱期に鈍性発情の発生が増加する。また乗駕許容牛と比較すると鈍性発情牛では黄体退行開始後1日目の黄体ホルモンが高い。このことから、緩慢な黄体退行は鈍性発情の原因となる。
キーワード 肉用繁殖牛、発情、乗駕許容行動、鈍性発情、発情検知
背景・ねらい ウシにおいて夏季の受胎頭数の低下は大きな問題である。この受胎頭数低下の理由としては、夏季の受胎率低下よりも受胎頭数の低下が大きく関与しており、鈍性発情の発生増加が受胎頭数低下の原因を招くと考えられている。肉用牛において、鈍性発情は過去現在ともに卵巣を原因とする繁殖障害の中で最多の疾患である。そのことから、夏季の生産性向上のためには鈍性発情の原因解明とその対策が重要と考える。
肉用繁殖牛において暑熱と発情行動との関連性を調べるとともに、鈍性発情の原因を臨床内分泌学的手法により検索した。
成果の内容・特徴
  1. 暑熱期、移行期および冷涼期の乗駕許容行動の発現は、冷涼期の90.0%に対して暑熱期では53.7%と有意(P<0.05)に低く、暑熱期では乗駕許容行動の発現が減少する(図1)。
  2. 鈍性発情牛と乗駕許容牛の血中黄体ホルモンの推移を比較すると濃度と経過日数との交互作用に有意(P<0.05)な差を認める。相対濃度は黄体退行後2日目には同等となるが、鈍性発情牛では黄体退行1日目の相対濃度が高く推移する(図2)。このことから明瞭な発情発現には急激な黄体退行が重要であり、緩慢な黄体退行は鈍性発情の原因となることを示している。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果は鈍性発情に関する知見として有用である。また鈍性発情の防除技術開発に寄与する。
  2. 乗駕許容行動は、農研機構・東北農業研究センターで開発した乗駕許容センサー を用い検知している。
図表1 236713-1.jpg
図表2 236713-2.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/karc/2013/karc13_s07.html
カテゴリ 病害虫 肉牛 繁殖性改善 防除

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