ヒメトビウンカの共生細菌スピロプラズマはオス幼虫を殺して性比をメスに偏らせる

タイトル ヒメトビウンカの共生細菌スピロプラズマはオス幼虫を殺して性比をメスに偏らせる
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2009~2013
研究担当者 真田幸代
松村正哉
野田博明
発行年度 2013
要約 ヒメトビウンカには共生細菌スピロプラズマが感染している。このスピロプラズマは感染したメスが産んだ仔のなかで老齢幼虫期にオスを殺し、仔の性比をメスに偏らせる。
キーワード 性比偏向、SpiroplasmaLaodelphax striatellus、オス殺し
背景・ねらい ヒメトビウンカはイネ縞葉枯病などのウイルスを媒介する水稲の重要害虫である。近年、東アジア一帯でイネ縞葉枯病の多発や薬剤感受性の低下などが問題となっており、様々な地域のヒメトビウンカ個体群を調査していたところ、台湾の南東部(台東)で著しくメスに偏った個体群を発見した。ヒメトビウンカには細胞質不和合をもたらす共生細菌(ウォルバキア)が日本の個体群に感染していることが知られているが、性比を偏らせるものについてはこれまで知られていない。そこでヒメトビウンカにみられるメスに偏った性比が共生細菌によるものなのかを検証し、その操作機構について明らかする。共生細菌による性比操作が明らかになれば、共生細菌による寄主の相互作用をヒメトビウンカの個体群管理に応用するうえで重要な情報となる。
成果の内容・特徴
  1. 共生細菌スピロプラズマがヒメトビウンカに感染している。
  2. 本スピロプラズマの感染頻度はメスに偏った性比の台東個体群で高く、正常性比の佐賀個体群で低い(図1)。
  3. 本スピロプラズマはヒメトビウンカ雄幼虫の終齢を殺す(図2)。
  4. 共生細菌を除去する抗生物質(テトラサイクリン塩酸塩)をFB系統(スピロプラズマ感染)の幼虫に経口摂取させると濃度が高くなるにつれてオスが出現する。このことから、共生細菌はオス幼虫を殺すことで次世代の性比をメスに偏らせている(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. オス殺しをするスピロプラズマの発見は、不完全変態昆虫で初めての報告である。
  2. スピロプラズマを高率で感染させ、性比を著しく偏らせることで地域個体群の増殖抑制や絶滅を促進するような個体群管理技術の開発に活用できる。
図表1 236727-1.jpg
図表2 236727-2.jpg
図表3 236727-3.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/karc/2013/karc13_s21.html
カテゴリ 害虫 管理技術 縞葉枯病 ヒメトビウンカ 薬剤

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