| タイトル | 間伐による水源かん養機能の増進は樹冠が閉鎖しても継続する |
|---|---|
| 担当機関 | (独)森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
延廣 竜彦 坪山 良夫 玉井 幸治 久保田 多余子 |
| 発行年度 | 2014 |
| 要約 | 茨城県内のヒノキ林を間伐し、森林樹冠の構造と樹冠通過雨量の変化を調べました。樹冠通過雨量は間伐によって増加し、水源かん養機能を増加させる効果は数年間持続することがわかりました。 |
| 背景・ねらい | 間伐などの手入れは水源かん養機能の増進につながることが期待されています。関東北部のヒノキ林において本数率50%の間伐を行い、樹冠(樹木の葉や枝が茂っている部分)を通過して森林土壌に到達する降雨量(樹冠通過雨量)と、樹冠の投影面積や葉の量を定期的に調査しました。間伐後に減少した樹冠の面積は速やかに回復しましたが、葉の量は間伐後3年経っても間伐前の水準に達しませんでした。一方、樹冠通過雨量は間伐により増加し、間伐後3 年経っても間伐前より多い状態で維持されました。このことから、降雨が森林樹冠に遮断される量は樹冠の面積だけではなく葉の量にも影響をうけ、水源かん養機能の増進効果は少なくとも3 年間は持続することを明らかにしました。 |
| 成果の内容・特徴 | 研究の背景近年、間伐が遅れた人工林が増加していることから、森林の公益的機能の低下が危惧されています。このため、林野庁や都道府県では間伐を促進する施策を講じています。しかし、間伐した後、どのように森林の水源かん養機能が変化するか、その効果はどのくらい持続するかについては調査した事例が少なく、不明な点が多くあります。雨水は森林土壌に一時的に蓄えられ、河川を流れ下流域で利用されます。森林に降った雨の多くは樹冠を通過し(一部は幹を伝って)地表に到達しますが、降雨の一部は樹冠で遮断され、そのまま蒸発します。そのため、樹冠通過雨量を測定することは下流で利用可能な水量、つまり水源かん養機能の評価につながります。 そこで、主要な樹種であるヒノキ林を対象に、間伐前から間伐後3 年半にわたり、樹冠の状態と樹冠通過雨量を調査しました。 間伐前後の森林樹冠の変化調査を行ったのは茨城県常陸太田市にあるヒノキ林(2009 年時点で22 年生)です。2009 年3 月から5 月にかけて本数率で50%の間伐(2,230 本/ha → 1,132 本/ha)を行いました(図1)。間伐により樹冠の投影面積の合計は76%にまで低下しました(図2)。その後、面積は徐々に増加し、1 年後には間伐前の水準まで回復していました。これに対して、葉の量を示す指標(葉面積指数)は間伐により半減した後、徐々に増加したものの、3 年経っても間伐前の水準に達しませんでした(図3)。間伐が樹冠通過雨量に与える影響図4 に間伐前後の樹冠通過雨量の変化を示しました。降雨量に対する樹冠通過雨量の割合は間伐前が73%であったのに対して、間伐直後には樹冠による遮断が減って82%に増加しました。その後、樹冠通過雨量は3年経っても間伐前より多い状態で維持されました。降雨が樹冠に遮断される量は、樹冠の面的な広がりだけでなく樹冠の葉の量や樹冠の鉛直方向の厚みも影響を受けると考えられます。このことから、調査したヒノキ林では、間伐によって樹冠通過雨量が増加しため森林の水源かん養機能も増加したこと、その効果は間伐後少なくとも3年間は持続することがわかりました。本研究は「予算区分:農林水産省実用技術開発研究(平成21 ~ 24 年度)、課題名:間伐促進のための低負荷型作業路開設技術と影響評価手法の開発」による成果です。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| 研究内容 | http://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/seikasenshu/2014/documents/p42-43.pdf |
| カテゴリ |
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