ニンニク周年供給のための収穫後処理技術

タイトル ニンニク周年供給のための収穫後処理技術
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
研究期間 2005~2014
研究担当者 山崎博子
庭田英子
伊藤篤史
矢野孝喜
長菅香織
稲本勝彦
山崎篤
発行年度 2014
要約 適切な収穫後処理(テンパリング乾燥→−2°C貯蔵→高温処理)により高品質なニンニクを周年供給できる。夜間無加温のテンパリング乾燥は連続加温乾燥より低コストで貯蔵後の障害発生が少ない。時期別に最適化された高温処理により貯蔵終了後の根の伸長を抑制できる。
キーワード ニンニク、貯蔵、乾燥、高温処理、周年出荷
背景・ねらい ニンニクの周年供給は収穫したりん茎を乾燥処理後に貯蔵し、これを計画的に出荷することにより行われる(図1)。ここでは、ニンニクの品質を長期間保持するために最適な貯蔵条件およびこの貯蔵条件に適合する乾燥条件を明らかにする。また、貯蔵終了後の流通・販売過程における根の伸長を抑制する高温処理法について、実用性に優れた処理条件を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 収穫後、テンパリング乾燥(昼間約34°C加温、夜間無加温、終日通風の乾燥)したりん茎は、慣行乾燥(終日約34°C加温、通風の乾燥)したりん茎に比べて、−2°C貯蔵後の変色やくぼみなどの障害発生が少ない(表1)。
  2. テンパリング乾燥は慣行乾燥に比べて乾燥仕上がりまでに1週間程度長い期間を要するが、消費電力量は慣行乾燥の約6割に削減できる(表1)。
  3. 貯蔵中の根、芽の伸長停止には−1°C以下、凍結の回避には−3°C以上、障害の回避には−2°C以上での貯蔵が適する(表2)。−3~−1°C貯蔵後の芽の伸長は貯蔵温度が低いほど抑制される(表2)。これらを総合すると、長期間の品質保持には−2°Cでの貯蔵が最も適する。
  4. −2°C貯蔵から出庫したりん茎に高温処理を行うことにより、その後の常温での根の伸長を抑制できる。実用的な高温処理条件(温度、時間)は出庫時期によって異なる(図2)。
  5. 以上の収穫後処理(テンパリング乾燥→−2°C貯蔵→高温処理)を行うことにより高品質なニンニクを周年供給できる。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:ニンニクの生産者、貯蔵請負業者、出荷業者、加工業者等。
  2. 普及予定地域:ニンニクを長期出荷する地域全般。現在、青森県産の周年出荷用ニンニクは約−2°Cで貯蔵されている。テンパリング乾燥は十和田おいらせ農協、高温処理は青森県内の複数の農協で実用化されている。
  3. その他:ニンニク「福地ホワイト」を供試して得られた成果である。詳細は東北農業研究センターホームページに掲載の「ニンニク周年供給のための収穫後処理マニュアル」を参照する。図2に示した高温処理条件は収穫・乾燥後、−2°Cで貯蔵したりん茎のみに適用可能である。
図表1 237244-1.jpg
図表2 237244-2.jpg
図表3 237244-3.jpg
図表4 237244-4.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/tarc/2014/14_010.html
カテゴリ 加工 乾燥 出荷調整 低コスト にんにく 品質保持

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