サツマイモ二倍体近縁野生種Ipomoea trifidaのゲノム配列情報

タイトル サツマイモ二倍体近縁野生種Ipomoea trifidaのゲノム配列情報
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2003~2014
研究担当者 岡田吉弘
平川英樹
白澤健太
中山博貴
田淵宏朗
吉永優
高畑康浩
田中勝
田畑哲之
磯部祥子
発行年度 2014
要約 サツマイモ近縁野生種Ipomoea trifidaの固定系統Mx23Hmのゲノム解読で得られた512.9メガ塩基対のDNA配列中には、62,403箇所の遺伝子領域が存在する。ゲノム配列情報および遺伝子情報はデータベースにまとめ公開している。
キーワード サツマイモ、Ipomoea trifida、二倍体近縁野生種、ゲノム配列、遺伝子
背景・ねらい サツマイモは世界の食用作物のうち生産量で第8位を占める重要な作物であるが、他殖性の同質六倍体であることからゲノム解析が困難で、重要形質に関する遺伝子レベルでの研究が進んでいない。サツマイモに最も近縁な野生種Ipomoea trifidaは、ゲノム解析の比較的容易な二倍体系統が存在しており、そのゲノム配列の解読は、サツマイモの遺伝的研究やDNAマーカー開発など育種にも利用出来ると考えられるため、Ipomoea trifidaのゲノム配列情報を解読する。
成果の内容・特徴
  1. Ipomoea trifidaのMx23Hm系統は1965年にメキシコから導入された自殖性の二倍体個体Mx23-4を第11世代まで自殖して得られた固定系統である(図1)。
  2. 次世代シーケンサー(Illumina社Hi-seq2000)を用いて収集したMx23Hmの配列データ(98.4 Gbp)をアセンブル(再構築)したDNA配列の総塩基長は512.9Mbpであり、K-mer分析から推定されるゲノムサイズ(515.8Mbp)の99.4%の領域に相当する。ScaffoldのN50サイズは42,586 bpであり、遺伝子配列の予測に十分な精度である。(表1)。
  3. 解読されたゲノム配列上に予測された遺伝子領域は62,403箇所である(表1)。
  4. ゲノム配列情報および遺伝子情報はかずさDNA研究所のホームページからデータベース公開(http://sweetpotato-garden.kazusa.or.jp/)されており、遺伝子配列のキーワード検索及びBLAST検索が可能である(図2)
成果の活用面・留意点
  1. データベースに公開された情報は、国内および世界各国のサツマイモ試験研究機関で利用出来る。
  2. ゲノム解読により病虫害抵抗性、デンプン合成経路等のサツマイモ生産における重要形質の選抜マーカー開発が加速され、六倍体であるサツマイモ育種へ利用できる。
  3. 本成果は、かずさDNA研究所との共同研究による成果である。
図表1 237320-1.jpg
図表2 237320-2.jpg
図表3 237320-3.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/karc/2014/karc14_s19.html
カテゴリ 病害虫 育種 データベース DNAマーカー 抵抗性

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