タイトル |
乗用型摘採機に装着するチャの被覆資材展開・巻取りアタッチメント |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター |
研究期間 |
2012~2014 |
研究担当者 |
深山大介
李昇圭
青木 循
原田一郎
鈴木智久
山田健二
服部雅己
|
発行年度 |
2014 |
要約 |
乗用型摘採機に装着する被覆資材の展開および巻取りアタッチメントで、チャの直接被覆栽培において、被覆資材の展開作業と巻取り作業を機械化する。展開・巻取り作業ともに慣行の手作業に比べて投下労働時間を50~60%程度削減できる。
|
キーワード |
チャ、直接被覆栽培、被覆資材、乗用型摘採機
|
背景・ねらい |
茶樹の樹冠面を資材で直接被覆して遮光する直接被覆栽培は、高品質の茶が得られるため栽培面積が増加している。一方、被覆関連の作業は全て手作業で行われていることから、機械化の実現が強く求められている。そこで、すでに普及している乗用型摘採機に装着でき、被覆資材の展開と巻取りの作業を省力化するアタッチメントを開発する。
|
成果の内容・特徴 |
- 開発したアタッチメントは、乗用型摘採機に装着し、被覆資材(以下、資材)を茶樹の樹冠面に展開する展開アタッチメント(図1)と、資材を巻取り回収する巻取りアタッチメント(図2)で構成される。資材の展開、巻取り作業ともにオペレータと補助者の2名で行う。作業速度は乗用型摘採機の摘採作業速度と同じ0.5m/s前後である。幅2.2m以下、長さ50m以下の資材が使用できる。乗用型摘採機への装着はアタッチメント共通のベースフレーム(質量30kg)を介して行う。
- 展開アタッチメントは、一端を茶樹に固定したロール状の資材を保持し、走行しながら資材を茶樹の樹冠面に展開する。展開のための動力は必要としない。
- 巻取りアタッチメントは、走行しながら資材を油圧モータ駆動の巻取り軸に巻きつけて回収する。巻取り用油圧モータは負荷に応じて回転速度を調節することで、資材に適度な張力を保持し、緩みなく巻き取る。2本の弧状のガイドフレームと資材を折り返すように取り回す仕組みにより、資材の左右への偏りを低減させる。ロール状に巻き終えた資材は巻取り軸から引抜いて取り外し、そのまま保管あるいは次回の展開作業に使用できる。
- 展開作業の能率は、資材と茶樹の固定に洗濯バサミ状の器具(ピンチ)を使う従来方式資材を使用する場合10a当たり投下労働時間が2.22人時、資材の固定にピンチを利用しない新方式資材を使用する場合、同1.48人時である(表1)。巻取り作業の能率は、従来方式の資材を使用する場合10a当たり投下労働時間が2.20人時、新方式資材を利用する場合、同1.52人時である(表2)。資材展開、巻取り作業ともに慣行の投下労働時間を50%以上削減できる。
|
成果の活用面・留意点 |
- 普及対象:乗用型摘採機を導入している茶生産農家
- 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:100台、250ha(導入可能面積5000ha[乗用型摘採機普及面積の25%]×5%[導入率])
- その他:2015年に市販予定。ベースフレームの乗用型摘採機側の取付部を変更することで、複数の型式の乗用型摘採機への装着に対応する。新方式資材は資材メーカーより特注品として購入できる。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/brain/2014/14_080.html
|
カテゴリ |
機械化
省力化
茶
|