貯蔵後の品質に優れる国内産端境期向き短節間性カボチャ品種「ジェジェJ」

タイトル 貯蔵後の品質に優れる国内産端境期向き短節間性カボチャ品種「ジェジェJ」
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2010~2015
研究担当者 杉山慶太
嘉見大助
室崇人
渡邉春彦
勝又雅彦
発行年度 2015
要約 カボチャ「ジェジェJ」は、3ヶ月の貯蔵(10℃)後においても品質が優れ、端境期(12~4月)出荷が可能な多収のF1品種である。短節間性を有するため省力的に栽培ができる。
キーワード カボチャ、貯蔵、高粉質、短節間、多収
背景・ねらい 国内産のカボチャは初夏~晩秋までの供給を担っているが、端境期である冬~春(12~4月)には海外からのカボチャでほぼ独占されている状況にある。国産カボチャの周年供給への要望は強いが、従来の品種は貯蔵後の品質が劣るなど端境期におけるカボチャの出荷が困難であった。そこで、貯蔵後の品質が優れ、収量性も高く、さらに省力栽培に適する短節間形質を有する品種の育成を行う。
成果の内容・特徴
  1. カボチャ「ジェジェJ」は、株式会社渡辺採種場が開発した「LOH」を種子親とし、北海道農業研究センターが開発した「北海6号」を花粉親とするF1品種である。
  2. 「ジェジェJ」は、生育初期において主枝(つる)は節間が詰まり、短節間性を示す。しかし、生育中期以降は徐々に節間が伸長する。側枝の発生数は、「えびす」に比べて少ない。短節間で側枝が少なく株元に着果しやすいことから、整枝・誘引、収穫作業の省力化が図られ、密植栽培が可能である。雄花の開花時期は「えびす」と同じで、雌花の開花時期は「えびす」よりやや遅い(表1)。
  3. 果形は扁円形である。収穫直後の果皮の地色は濃緑で緑色のすじの模様がある(図1)。果実重量は2.0 kg程度で「えびす」とほぼ同じである。総収量、規格内収量は「えびす」、「雪化粧」より多収である(表2)。
  4. 貯蔵3ヶ月後における果皮色は色褪せが少なく、「えびす」よりも緑が濃い。果肉色は橙黄~橙で赤味が強く鮮やかである(図1)。肉質は粉質性が強く、乾物率、Brixは「えびす」より高い(表2)。
  5. 抑制栽培や収穫後の貯蔵と組み合わせることで、国内産端境期における出荷が可能である(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:カボチャ生産者
  2. 普及予定地域・普及予定面積:全国のカボチャ生産地に適し、2015年の栽培面積は北海道、東北(岩手県、宮城県、福島県等)、九州(長崎県、熊本県、宮崎県、鹿児島県等)、沖縄県を中心に約40haあり、今後100ha以上が見込まれる。
  3. その他:栽培マニュアルは北海道農業研究センターのホームページ(http://www.naro.affrc.go.jp/harc/contents/pumpkin/index.html)に掲載されている。着果後は葉の枯れ上がりによる日焼けに注意する。種子は株式会社渡辺採種場から販売されている。
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研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/harc/2015/15_013.html
カテゴリ かぼちゃ 出荷調整 省力化 品種

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