熟練者の作業技術を導入したコンバイン機内清掃マニュアル

タイトル 熟練者の作業技術を導入したコンバイン機内清掃マニュアル
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター
研究期間 2012~2014
研究担当者 嶋津光辰
梅田直円
栗原英治
山本淳子
梅本雅
発行年度 2015
要約 コンバイン収穫作業における異品種や異作物の混入を高精度に防止するため、熟練者の持つ専門知識や経験技術を導入した清掃作業のマニュアルである。これを参照することで、初心者でも機内残を熟練者と同等水準に低減できる。
キーワード コンバイン、混入防止、清掃、マニュアル、ナレッジ
背景・ねらい 異品種や異作物の混入(コンタミ)防止は、食の安全・安心を確保するうえで重要である。近年では飼料用米の生産が振興されているが、生産拡大のためには主食用米への混入防止対策が緊急課題とされている。コンバイン収穫作業における混入防止のためには、品種の切替え時や作業終了時に機内清掃が求められるが、従来の取扱説明書における機内清掃に関する記載は掃除口の開閉方法のみに留まる場合が多く、経験の少ない作業者(初心者)が精度の高い機内清掃を行うためには不十分である。内部構造等に関する専門知識や熟練的な清掃技術(通称、ナレッジ)を持つ作業者(熟練者)は精度の高い機内清掃が可能なことが知られており、そのナレッジを導入した機内清掃マニュアルの作成手法が開発されている(2010年度研究成果情報「熟練者の作業技術を導入したコンバイン清掃マニュアル作成手法」)。そこで、ナレッジを導入した、初心者でも高精度な機内清掃が可能になるコンバイン機内清掃マニュアル(ナレッジマニュアル)を作成する。
成果の内容・特徴
  1. 作成したナレッジマニュアルは、コンバインの構造知識や清掃技術を熟知するコンバイン製造メーカ技術者(熟練者)の経験則やノウハウに基づく手引書である。
  2. マニュアル冒頭部には、熟練者の機内清掃方法の円滑な理解を助けるため、熟練者が清掃作業全体を通して留意する清掃作業のポイントを記載している。これは、機内清掃の高精度、高能率化のために特に重要なナレッジで、コンバインの機種を問わず共通して適用できる(図1)。
  3. マニュアル冒頭部に続いて、掃除口等開閉作業の効率化を図るため、熟練者の作業の流れおよび掃除口等の開閉方法について記載している。
  4. 掃除口等の開閉方法に続いて、機内残除去精度の向上および作業効率化を図るため、コンバイン機内の残留物(機内残)除去作業における具体的な作業仕方、視覚や聴覚を向けるべき要所、判断の基準等を記載している。また適宜、マニュアル参照時の視覚的な理解を助けるため、内部構造の略図や作業者目線の写真を付加するとともに(図2)、内容の記憶を助けるため、特に留意すべき重要箇所を強調して記載している(図3)。
  5. 作成したナレッジマニュアルを用いて機内清掃すると、機内清掃経験が少ない初心者でも、機内清掃後の機内残が熟練者と同等水準に低減する(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:コンバインを所有する経営体
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:全国
  3. その他:飼料用米生産のための混入防止対策の参考事例として、農林水産省のウェブサイトにて紹介されている(http://www.maff.go.jp/j/seisan/kokumotu/siryouqa.html)。 作成したナレッジマニュアルの供試機はM社製VM217G(2条刈自脱型)である。異なる機種でも冒頭部は共通に適用可能で、機内残除去方法も構造の近い機種なら適用可能である。他メーカ製機種については機種ごとの作成をメーカ各社と協議中である。
図表1 237395-1.jpg
図表2 237395-2.jpg
図表3 237395-3.jpg
図表4 237395-4.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/brain/2015/15_098.html
カテゴリ 経営管理 飼料用米 生産拡大 品種

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