| タイトル | 海岸林再生に向けたクロマツの通年植栽 |
|---|---|
| 担当機関 | (国)森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
八木橋 勉 中村 克典 齋藤 智之 松本 和馬 八木 貴信 柴田 銃江 野口 麻穂子 駒木 貴彰 |
| 発行年度 | 2016 |
| 要約 | 東北地方の津波被害地の海岸林の再生に向けて、作業の平準化をはかるためにクロマツの通年植栽の可能性を検討しました。その結果、コンテナ苗を用いれば、厳冬期を除いて植栽可能であることがわかりました。 |
| 背景・ねらい | 東北地方の津波被害後の海岸林の再生事業では、植栽が大面積にわたるため、作業時期を分散させることができる通年植栽が求められています。そこで、宮城県仙台市において、クロマツの通年植栽の可能性を検討するため、厳冬期の1月を除き、2ヶ月おきに通年でクロマツコンテナ苗を植栽する試験を行いました。その結果、いずれの植栽時期でも越冬後の生存率が98%以上と高く、成長にも大きな問題はみられませんでした。今後、より多くの地域で検証する必要がありますが、コンテナ苗を用いれば、クロマツは、厳寒期を除いて通年植栽できる可能性が示されました。 |
| 成果の内容・特徴 | クロマツ海岸林の再生に向けて クロマツ苗の植栽に適した時期は、開葉前の春と成長終了後の秋とされていますが、東北地方では植栽後に厳しい冬を迎えるため、秋の植栽は避けられていました。このため、厳しい寒さが収まった春に植栽作業が集中し、事業量の偏りが大きくなる問題がありました。植栽が大面積になる海岸林の再生事業では、植栽時期を分散させる必要があり、植栽時期を選ばない苗が求められます。そこで、細根を含む根系が保たれているため、植栽時のストレスが少ないとされるクロマツコンテナ苗を用いて通年での植栽の可能性を検討しました。 植栽時期の違いによるコンテナ苗の生存と成長 仙台市の荒浜地区において、コンテナ苗を厳冬期の1月を除いて2013年11月から2ヶ月おきに翌年の9月まで、時期を変えて植栽し、その生存と成長を調査しました。 植栽翌春(11月植栽は翌々春)の2015年4月時点の生存率は、ほぼ100%で、生存率からみた場合、問題はありませんでした(図1)。次に成長の面ですが、植栽時と1成長期が終了した2014年11月に、それぞれ樹高と幹の地際部の直径を測定しました(図2)。5月植栽、7月植栽、9月植栽の苗は、植栽後にほとんど樹高成長はみられませんでした。これは植栽するまでの育苗中にすでに樹高成長をほぼ終えていたためであり、成長が悪かったということではありません。直径成長は、7月植栽までは2014年の成長期中に増加がみられましたが(図3)、9月下旬植栽では、直径成長はみられませんでした。これは、9月下旬植栽では、2014年の成長期がすでに終了していたためと考えられ、次の年に成長すると考えられます。 注意の必要な植栽時期 これらの結果から、生存率だけでなく、成長面からみても、ほぼ通年での植栽が可能であると考えられました。しかし、東北地方では、海岸であっても、厳冬期には積雪や土壌凍結の影響があり、作業を行うことは困難です。また、真夏に関しては、本研究事例では7月下旬の植栽でも、翌春に100%生存していました。ただし、真夏の海岸の環境は過酷な場合も多く、植栽を行う場所や、その年の降水量にも左右されることが考えられますので、真夏の植栽は、環境条件を検討した上で実行する必要があります。 本研究は、森林総合研究所交付金プロジェクト「東日本大震災で被災した海岸林の復興技術の高度化」の成果を含みます。また、本研究は、森林総合研究所東北支所と東北森林管理局による「仙台海岸におけるコンテナ苗植栽時期試験地に関する協定書」に基づいて行いました。 詳しくは、八木橋勉・中村克典・齋藤智之・松本和馬・八木貴信・柴田銃江・野口麻穂子・駒木貴彰 (2015) クロマツコンテナ苗の当年生苗利用と通年植栽の可能性 . 日本森林学会誌 97: 257-260をご覧下さい。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 研究内容 | https://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/seikasenshu/2016/documents/p48-49.pdf |
| カテゴリ | 育苗 |
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