タイトル |
関東地域におけるトウモロコシ二期作栽培に適した品種の早晩性及び栽培適地 |
担当機関 |
(国)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 |
2009~2015 |
研究担当者 |
菅野勉
森田聡一郎
佐藤節郎
黒川俊二
西村和志
佐々木寛幸
折原健太郎
九石寛之
増山秀人
島田研
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発行年度 |
2015 |
要約 |
関東地域では関東中部(栃木県南部)を北限として飼料用トウモロコシの二期作が可能であり、4月上旬~7月下旬の1作目には極早生~早生品種が、8月上旬~11月あるいは12月までの2作目に中生から晩生品種が適する。
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キーワード |
作付体系、生産費、トウモロコシ、二期作栽培、有効積算温度
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背景・ねらい |
飼料用トウモロコシ(Zea mays L.)の二期作は従来、我が国暖地の多収作付体系であるが、近年、温暖地においても栽培事例が増加している。そこで、本研究ではトウモロコシ二期作の限界地帯と考えられる関東地域において、トウモロコシ二期作が可能になる条件及び導入可能地域を明らかにするとともに、関東地域におけるトウモロコシ二期作の安定栽培技術を開発することを目的とする。
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成果の内容・特徴 |
- 関東地域では、関東中部(栃木県南部)を北限としてトウモロコシ二期作が可能である。1作目に10℃基準有効積算温度約1,000°Cの条件で極早生から早生品種を、2作目に同有効積算温度約1,200°Cの条件で中生から晩生品種を組み合わせることで、両作付けともトウモロコシを黄熟期で収穫できるトウモロコシ二期作が可能になる(表1)。
- 1作目及び2作目に必要な有効積算温度の合計より、10℃基準有効積算温度2,200℃以上の条件で二期作が可能になるが、1作目から2作目への切り換えに7日間(7月下旬~8月上旬)を要すると仮定すると、播種から2作目収穫までに必要な10℃基準有効積算温度は2,300℃以上と考えられる(表1)。
- 関東地域における日平均気温の3次メッシュデータ(2000年~2009年平均)から、10℃基準有効積算温度が2,200~2,300℃の地点を「栽培限界地」、及び2,300℃以上の地点を「栽培適地」として区分すると、両区分の全3次メッシュに対する割合はそれぞれ11.1%及び11.9%である(図1)。両区分を合わせたメッシュ数割合は埼玉県、千葉県、神奈川県で多く(45.3~44.7%)、栃木県、茨城県で少ない(4.3~4.5%)(図1)。
- このような栽培適地及び栽培限界地においてトウモロコシ二期作を行うことで、慣行二毛作(トウモロコシ-イタリアンライグラス[Lolium multiflorum Lam.])に比較し、10a当たりの年間合計乾物収量が10~24%向上し、年間合計TDN収量も15~30%向上する(図2)。
- 関東中部(栃木県栃木市)での現地実証試験におけるトウモロコシ-イタリアンライグラス二毛作とトウモロコシ二期作のTDN1kg当たりの生産費を比較すると、トウモロコシ二期作は二毛作に比較して生産費が9%低い(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 普及対象:自給飼料増産を希望する畜産農家、コントラクター等、及び行政機関
- 普及予定地域・普及予定面積:関東等の温暖地に1,000ha
- その他:1作目、2作目とも飼料用トウモロコシの播種量、施肥量、雑草防除法は従来の栽培指針に従う。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nilgs/2015/15_019.html
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カテゴリ |
病害虫
安定栽培技術
イタリアンライグラス
コントラクター
雑草
飼料用作物
施肥
とうもろこし
二毛作
播種
品種
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