低速作業に対応した後付けできる播種機のGPS速度連動化装置

タイトル 低速作業に対応した後付けできる播種機のGPS速度連動化装置
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究期間 2013~2015
研究担当者 加藤仁
建石邦夫
山本亮
関正裕
発行年度 2015
要約 電動モータ方式の播種機へ速度連動化装置を後付けすることで、重粘土での耕うん同時畝立て播種作業のような従来の速度連動播種機では対応できなかった低速作業でも作業速度に連動した播種が可能となる。
キーワード 重粘地、耕うん同時畝立て播種、低速作業、速度連動化、GPS
背景・ねらい 北陸地域の水田は重粘土が多く分布し、ダイズ播種や水稲あとのオオムギ播種は梅雨や秋雨時期に重なり、播種が困難な日でも作業が行われる。このような条件下での播種作業は、低速作業(1km/h以下)を強いられることも多く、接地輪駆動式による播種機では土壌付着により接地輪の回転が不安定になり、播種量が変化する。また、電動モータを定速回転する方法では作業速度の変動により播種量が変化する。速度連動方式であっても最低作業速度が大きく対応できない。そこで、1km/h以下の作業速度にも対応し、すでに所有している播種機へ後付けできる速度連動化装置を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 速度連動化装置のマイコンボードにはNARO CAN BOARD(PE-02-01、エム・ライン)を使用する。トラクタからの電源(DC12V)で作動し、PWM制御により繰出部のDCモータを駆動させる(図1)。既存の播種機のDCモータのコントローラの代わりに本装置を組み込むことで、速度連動化が可能となる(図1)。
  2. 農業用のGPS信号受信装置から出力されるCANによる速度情報が利用できるため、作業速度0.15~7.6km/hの幅広い速度域で速度情報の精度が高い(表1)。
  3. CANによる速度情報を読み込み、速度に対応したDCモータ回転速度となるPWM出力のDuty比を算出し、繰出部の回転を制御する(速度連動モード)。その他の機能として、任意の回転速度に設定する「マニュアル」、繰出量の調整を行う「キャリブレーション」をモード切替により選択できる。
  4. 「キャリブレーションモード」では、繰出実行スイッチを入れると、規定量(10m区間)が繰り出される。ダイヤルにより繰出量が50~200%で調整できるため(図1)、目標とする繰出量への調整を簡単に行うことができる。
  5. 既存の耕うん同時畝立て播種機に本装置を取り付けたオオムギ播種作業では、低速作業においても速度と連動した播種が可能であり、設定播種量との差はない(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 市販されている速度連動播種機で対応していない時速1km/h以下で実施される耕うん同時播種や重粘土での低速播種作業に活用できる。
  2. CANによる速度情報はGPS信号受信装置(KSRU、クボタ)の独自フォーマットの速度情報を利用している。(制御プログラムの変更により、その他の速度フォーマットにも対応可能である。)
  3. 実際の作業速度の下限はモータと播種機の仕様により異なる。また、モータ等を変更する場合、モータの回転数とPWM制御のDuty比の関係等は制御プログラムの変更が必要となる。
図表1 237627-1.gif
図表2 237627-2.gif
図表3 237627-3.gif
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/narc/2015/narc15_s06.html
カテゴリ 大麦 GPS 水田 大豆 播種

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