タイトル |
安価な3次元形状計測センサを利用した自動草高計測システム |
担当機関 |
(国)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所 |
研究期間 |
2013~2015 |
研究担当者 |
黒崎秀仁
梅田大樹
岩﨑泰永
浜本浩
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発行年度 |
2015 |
要約 |
植物の草高の変化を容易に把握し、その情報を栽培管理や栽培環境制御に反映するシステムの開発を可能にすることを目指して、安価な3次元形状計測センサであるKinectを利用した低コストに構築できる植物の非接触草高測定システムを開発する。
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キーワード |
草高、自動計測、Kinect、茎頂部、UECS
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背景・ねらい |
植物の伸長速度は栽培環境との関連が深く、様々な研究が従来から行われてきた。しかし、これまで植物の草高を計測するには、定規を用いて手作業で定期的に植物を測る必要があり、測定方法が煩雑であった。このため植物の草高の変化から得られる情報を、栽培に利用できるシステムは普及していない。そこで、安価な3次元形状計測センサであるKinectを利用して低コストに構築できる非接触な植物の草高測定システムを開発する。植物の草高を容易に把握できれば、この情報を生産者が植物の状態を示す指針として使用したり、栽培環境の制御に反映するシステムを開発することも可能となる。
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成果の内容・特徴 |
- 自動草高計測システムはKinectと計測用PC、および計測用ソフトウェアから構成されている。Kinectを植物の上部から真下に向けて設置し、計測用PC(Windows7以降のOSが必要)で計測用ソフトウェアを動作させることで機能する(図1)。
- Kinectは赤外線プロジェクタとカメラを搭載し、赤外線(830nm)を照射して物体までの距離を計測するアクティブ型のセンサである。そのため、太陽光の下では使用できないが、開発したソフトウェアは、夜間のみ動作するように設定できる。
- このシステムでは撮影した植物までの距離を濃淡で示した距離画像として出力できる(図2)。また、視野内の植物の平均的な草高を算出できる機能を持ち、実測値とよく一致した結果が得られる(図3)。
- 生長とともに茎頂部が視野内を移動するトマトでは、茎頂部を自動追跡する機能を用いてその高さを計測できる(図4)。
- 視野内に最大6箇所の測定点を設定でき、データはタブ区切りテキスト形式でファイル出力されるほか、UECS(ユビキタス環境制御システム)互換形式でLAN内に配信できる。UECSに対応したソフトウェアや環境制御機器があればこの情報を受信できる。
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成果の活用面・留意点 |
- Kinectで計測可能な距離は通常モードで0.8~4m、近距離モードで0.4~3mの範囲となる。Kinectの視野角は水平57度、垂直43.5度であり、距離3mでは約3×2.4mの範囲を撮影できる。
- Kinect for Windowsの価格は2015年現在、約25,000円であり、同種のセンサと比較すると極めて安価である。ただし、動作にはPCが必要であり、今回開発した計測用ソフトウェアで対応できるKinectは1台のPCにつき1台までである。
- USBケーブルを延長する場合、アクティブ延長ケーブルの利用を推奨する。また、Kinect for WindowsはUSB2.0ポートへの接続が推奨されており、USB3.0ポートでは動作が不安定になることがある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/vegetea/2015/vegetea15_s08.html
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カテゴリ |
環境制御
栽培技術
自動計測
低コスト
トマト
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