酵素処理により風味と食感が改善されたカラフルポテト加工素材

タイトル 酵素処理により風味と食感が改善されたカラフルポテト加工素材
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2011~2015
研究担当者 石黒浩二
瀧川重信
発行年度 2015
要約 カラフルポテトを、アミラーゼやペクチナーゼ等の酵素で処理することにより、甘みや滑らかさを有するマッシュやフレークなどの加工素材が製造できる。マッシュやフレークはアントシアニンやカロテノイドを含み、スープや菓子類などに利用できる。
キーワード カラフルポテト、加工素材、酵素処理、アントシアニン、カロテノイド
背景・ねらい バレイショ(Solanum tuberosum L.)には、アントシアニンやカロテノイドを含有する品種(カラフルポテト)があり、抗酸化性や肝機能障害軽減作用などの機能性が明らかにされている。バレイショはサラダ、コロッケ、煮物等の惣菜として食されることが多く、ポテトチップス以外の嗜好品(菓子、ケーキ、菓子パン等)に使用されることは少ない。カラフルポテトの用途も広くはなく、一部の料理や加工品としての利用に限られている。そこで、風味や食感を改善することで、嗜好品等にも適する新たな加工素材を開発し、カラフルポテトの色調や機能性を活かした需要を創出することをねらいとする。
成果の内容・特徴
  1. 酵素処理マッシュは、原料バレイショを洗浄、剥皮、トリミング後、蒸煮したバレイショをマッシュし、各酵素に適した条件(温度、時間、添加量)で酵素を反応させ、冷却、包装、殺菌工程を経て製造される(図1)。
  2. ペクチナーゼやα-アミラーゼを作用させると、マッシュの粘度が大きく低下する(図2A)。
  3. β-アミラーゼを作用させると、マッシュ中のでん粉が分解されマルトースが増加する(図2B)。β-アミラーゼとペクチナーゼを同時または連続で作用させると、糖含量が高く、粘度が低いマッシュができる。
  4. 酵素処理マッシュ中には、品種由来のカロテノイドやアントシアニンが含まれる。「インカのめざめ」のマッシュ中カロテノイド含量は432μg/100g、「ノーザンルビー」および「シャドークイーン」のアントシアニン含量はそれぞれ、30 mg/100gと34 mg/100gである(表1)。
  5. 酵素処理マッシュを、ドラムドライヤー等により適切な条件で乾燥すると、変色なくフレークが製造できる(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 原料バレイショ500kgまでの製造方法は確立しており、バレイショ食品を利用する食品関連企業が活用できる。
  2. 酵素処理により甘みや滑らかさを有したカラフルポテトマッシュやフレークは、機能性成分を含有し、色調を生かした様々な加工品に利用できる。
  3. マッシュは冷凍で保存する。フレークは室温(または冷蔵)で保存できるが、カロテノイドやアントシアニンの退色を防止するため遮光保存が好ましい。
図表1 237792-1.gif
図表2 237792-2.gif
図表3 237792-3.gif
図表4 237792-4.gif
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/harc/2015/harc15_s22.html
カテゴリ 加工 乾燥 機能性 機能性成分 ばれいしょ 品種

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