タイトル |
東北地域における2003-2013年の斑点米カメムシ類の発生と被害の傾向 |
担当機関 |
(国)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター |
研究期間 |
2014~2015 |
研究担当者 |
田渕研
市田忠夫
大友令史
加進丈二
高城 拓未
新山徳光
高橋良知
永峯淳一
草野憲二
榊原充隆
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発行年度 |
2015 |
要約 |
東北6県の斑点米カメムシ類の発生とその被害は年次変動があるものの、2003年以降増加傾向にある。特に、2010年の大発生以降、日本海側を中心としたアカスジカスミカメの発生地点の増加が顕著であり、発生種の変遷に伴う発生予察・防除対策の再検討が必要である。
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キーワード |
発生予察、斑点米カメムシ、アカスジカスミカメ、アカヒゲホソミドリカスミカメ
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背景・ねらい |
斑点米カメムシ類は、東北地域における水稲の最重要害虫であり、近年においても被害発生の警戒が必要な状況が続いている。東北地域全体として今後の斑点米カメムシに対する防除対策の地域戦略を構築するために、東北農業研究センターが中心となり2003年から2013年を中心に東北地域における斑点米カメムシ類の発生と被害の傾向を取りまとめて分析を行い、情報の共有と発信を進めることを目的とする。
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成果の内容・特徴 |
- 斑点米カメムシ類の発生地点数や捕獲数に基づいて発表される注意報・警報数は年次変動があるものの、全国的な傾向と同様に、東北6県では2000年以降2013年まで高い水準で推移しており、斑点米カメムシ類の多発生状態が明らかに継続している(図1)。また、斑点米カメムシ類の吸汁害による落等被害は年により変動するものの、2003年、2005年、2010年に落等率が高い状況は2005年の福島県の事例を除き、東北地域全体として同様の傾向を示したことがわかる(図2)。
- これまでアカスジカスミカメの被害報告の見られなかった青森・秋田・山形・福島の各県で捕獲地点率が2008年以降に増加傾向にある(図3左)。一方で、アカヒゲホソミドリカスミカメの捕獲地点率は減少傾向のある秋田を除く3県で増加や減少傾向が認められないことから(図3右)、既に混発が認められる岩手・宮城両県を含めた東北地域全体において、広域で両種の混発が進行していると推定される。これら2種のカメムシは寄主選好性や水田への侵入時期など生態的特性が異なる事が知られており、薬剤の選択や防除時期の再検討、水田内外の雑草管理技術の改良が、今後の斑点米カメムシ対策における技術的課題としてあげられる。
- 斑点米カメムシの発生について、東北地域の県ごとに2003年から2013年までの発生調査結果、被害実態とその特徴、防除対策、およびその間行われた研究事例を整理し、その分析に基づく今後の課題について考察した結果を資料として取りまとめ、以下の東北農業研究センターのWebsiteに公開している。
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成果の活用面・留意点 |
- カスミカメ類の斑点米被害の多発、アカスジカスミカメの発生地点の増加による優占種の変遷とカメムシ2種混発の進行等の傾向が明確に示されたことから、追加防除の要否判定基準を含む発生予察方法や、混発・多発生条件下での被害抑制対策、リスク要因の再検討など、地域の防除対策研究の戦略策定に活用できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/tarc/2015/tarc15_s14.html
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カテゴリ |
病害虫
アカスジカスミカメ
害虫
カメムシ
管理技術
雑草
水田
水稲
斑点米
斑点米カメムシ
防除
薬剤
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