人工光源下でのパルプ培地を用いた簡易なスプラウト生産技術

タイトル 人工光源下でのパルプ培地を用いた簡易なスプラウト生産技術
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2011~2015
研究担当者 渡辺慎一
北﨑一義
松尾征徳
森脇丈治
古谷茂貴
鮫島國親
澤井祐典
諸岡譲
篠﨑正俊
田中健一郎
田中達也
河野智謙
吉田敏
発行年度 2015
要約 保水性の高いパルプ培地を利用してかん水の低頻度化を図ることにより、人工光源を設置した多段棚での簡易な方式で、赤色系かいわれ大根、ダッタンソバスプラウト等を1週間程度で生産できる。
キーワード パルプ培地、かいわれ大根、ダッタンソバスプラウト、人工光型植物工場
背景・ねらい 人工光型植物工場では、設備等のイニシャルコストや、照明、空調のための電力等のランニングコストが高いことから、経営的に成り立つ品目がリーフレタス類等に限られ、栽培品目の拡大が求められている。そこで、栽培期間が短く、少ない光量で生産可能、養液栽培が不要なことからランニングコスト・イニシャルコストを低減でき、かつ外観や成分の点で付加価値の高いかいわれ型スプラウト(赤色系かいわれ大根、ダッタンソバスプラウト等)は有望品目と位置づけられる。そこで、さらなる栽培システムのイニシャルコスト低減をねらって、安価なかん水装置で栽培可能な簡易な生産システムを開発する。
成果の内容・特徴
  1. 本生産システムは、人工光源を設置した簡易な多段棚(ワイヤーシェルフ等)に出荷容器の大きさに対応したセルトレイ等の栽培容器を並べてかいわれ型スプラウトの生産を行うものである(図1)。
  2. パルプ培地は、かいわれ型スプラウト生産で一般に用いられているウレタン培地よりも保水性が高い(図2)。
  3. パルプ培地を用いることにより、低頻度のかん水条件下でもウレタン培地と比べてかいわれ型スプラウトの生育が良好となる(図3)ことから、高頻度でかん水を行うための装置は不要である。
  4. 本生産システムを気温25℃・相対湿度75%程度で制御可能な部屋に設置してかいわれ型スプラウトの緑化の工程で利用することにより、浸種→静置→播種→暗所での発芽促進→緑化の工程で、赤色系かいわれ大根やダッタンソバスプラウトであれば1週間程度で生産することができる(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 本方式による生産物(赤色系かいわれ大根:生産日数6日間、ダッタンソバスプラウト:生産日数10日間)は、半年~1年の試験販売の実績を有する。
  2. パルプ培地は中原採種場(株)から入手可能である。
  3. 本成果で用いた赤色系かいわれ大根品種は「ルビーかいわれ大根」、「サンゴかいわれ大根」(中原採種場(株))、ダッタンソバ品種は「満天きらり」(農研機構北海道農業研究センター育成)、栽培容器は20穴セルトレイ(セルの上面75 mm角×深さ60 mm、4穴×5列)、パルプ培地量は2.5g/セルである。
  4. ダッタンソバスプラウトを生産する場合には、光源に遠赤色光を加える必要がある(2014年度研究成果情報「遠赤色光の照射でダッタンソバスプラウトの果皮を除去する方法」参照)。
  5. 本方式でかいわれ型スプラウト生産を行う場合には、暗所での発芽促進や緑化の日数等について品目・品種ごとの検討が必要である。
図表1 237857-1.gif
図表2 237857-2.gif
図表3 237857-3.gif
図表4 237857-4.gif
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/karc/2015/karc15_s08.html
カテゴリ かいわれ 経営管理 コスト 出荷調整 そば 低コスト 播種 品種 養液栽培 リーフレタス

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