電気インピーダンス法による脂質含量の推定

タイトル 電気インピーダンス法による脂質含量の推定
担当機関 岩手県水産技術センター
研究期間 2012~2014
研究担当者 藤嶋敦
発行年度 2016
要約 魚市場や水産加工場などでは、安価で、簡単、迅速に魚の脂の乗りを表す脂質含量を測定できる非破壊測定機が必要とされている。このため、電気インピーダンス法により、サケ、カツオ、ブリおよびサワラの魚体のインピーダンス値から脂質含量を推定する精度の高い推定式を作成し、安価で市販されている魚用の脂肪計「フィッシュアナライザTM」に測定対象魚種として追加された。
背景・ねらい 魚の脂質含量は、漁期・漁場によって著しく変動し、個体差も大きいが、化学分析による方法では多くの手間と時間を要するため、魚市場や水産加工場などの現場では、簡単で迅速に測定できる非破壊測定機が求められている。しかし、既存の測定機は存在するが、高額であるため普及するには至っていない。

中央水産研究所、大和製衡(株)などは、魚体の電気インピーダンス値から脂質含量を推定する安価な魚用品質状態判別装置を開発し、平成27年2月に大和製衡(株)が商品名「フィッシュアナライザTM」として市販した。この装置を使い、岩手県で水揚げされる魚の脂質含量を測定できるようにするためには、魚種ごとにインピーダンス値から脂質含量を推定する予測式を作成する必要がある。このため、当該測定機の試作機などを用いて、平成25年はサケ、平成25~26年はカツオとブリ、平成27年にはサワラのインピーダンス値と脂質含量のデータを取得し推定式を求めた。
成果の内容・特徴
  1. サケ36尾(北海道産サケのデータ含む)、 カツオ69尾、ブリ91尾(長崎県産養殖ハマチのデータ含む)、サワラ46尾を対象とし、背中央部にフィッシュアナライザ>TMを接触させ交流電流を2、5、20、50、100kHzの各周波数で通電してインピーダンス値を測定した(図1、2)。サケ、カツオ、ブリはフィッシュ・アナライザTMを接触した部位を切り出した魚肉を、サワラはフィレをミンチにして、ソックスレー法により脂質含量を測定した。脂質含量を目的変数とし、交流電流の2、5、20、50、100kHzの各インピーダンス値および各インピーダンス値の組み合わせごとの差と比を説明変数として重回帰分析を行った。
  2. 重回帰分析によって得られた脂質含量の推定値と化学分析値の関係は、ブリがR=0.94、サケがR=0.81、カツオがR=0.77およびサワラがR=0.92と強い相関がみられた(図3)。

この4魚種は、フィッシュ・アナライザTMの測定対象魚種として追加され、他の魚種とも併せて、岩手県で漁獲される主要な魚を、安価で、簡単、素早く、魚を傷付けることなく脂質含量を測定することができる技術が確立できた。
成果の活用面・留意点 今後は、フィッシュ・アナライザTMの活用が進むよう、岩手県産水産物を用いた活用事例を作り関係者に情報提供する方針である。
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=6028&YEAR=2016
カテゴリ 加工

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