カキ殻加工固形物を用いたマガキの天然採苗技術

タイトル カキ殻加工固形物を用いたマガキの天然採苗技術
担当機関 (国研)水産研究・教育機構 増養殖研究所
研究期間 2015~2016
研究担当者 長谷川夏樹
渡部諭史
藤岡義三
石樋由香
皆川昌幸
日向野純也
土橋靖史
浅尾大輔
木村勲
山本善幸
中村和馬
山口恵
発行年度 2016
要約 養殖カゴなどに収容したカキ殻加工固形物「ケアシェル」を潮間帯に係留し、シングルシード(一粒種苗)などのマガキ稚貝を付着させる天然採苗試験を実施し、波あたりの大きい地点や開孔率が大きく通水性の良い採苗容器で採苗成績が良好であることが明らかとなった。また、潮間帯に採苗器を設置したことでマガキ以外の生物の付着や汚損が低減され、長期にわたって採苗が可能であることが明らかとなった。
背景・ねらい 我が国のマガキ養殖生産は広島県と宮城県の2大産地に加え中小のマガキ養殖生産地によって維持されている。中小のマガキ養殖生産地は宮城県や広島県などから購入する天然種苗などによって支えられているが、災害時や採苗不調時には価格の高騰や安定供給への懸念が生じる。このため、中小の生産地においても養殖業者自らが実践可能な地場採苗技術を開発して種苗供給を補完することは、我が国のマガキ養殖産業の持続的発展に不可欠である。
成果の内容・特徴 三重県内において、カキ殻を粉砕・加工して製造された固形物「ケアシェル」を養殖カゴなどに収容した採苗器を潮間帯に係留し、シングルシード(一粒種苗)などのマガキ稚貝を付着させる天然採苗試験を実施した(図1)。その結果、固形物にマガキ稚貝の付着が確認され採苗器として機能することが明らかとなり(図2)、採苗成績は波あたりの大きい地点や通水性の大きい採苗容器で良好であった(図3、4)。また、潮間帯に採苗器を係留したことで採苗器の汚損が低減され、長期にわたって稚貝の付着が続き累積的な採苗が可能であることが明らかとなった。本採苗手法は、一般的な天然採苗の際に必要な浮遊幼生や稚貝の出現状況の調査が不要で中小の生産地においても取り組み可能で、マガキ種苗確保の安定化に貢献することが期待される。
成果の活用面・留意点 採苗器の設置は、岸壁等へのマガキの天然付着がある地点を目安に実施しており、採苗試験で得られた環境条件だけで天然採苗が成功するわけではないことに留意する必要がある。また、カキの付着数が多いと複数の稚貝が固形物に付着してしまう比率が上昇するため、付加価値の高い殻付きカキ生産に適したシングルシードを多く確保したい場合には留意が必要である。
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=6078&YEAR=2016
カテゴリ かき 加工

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