2010年に日本で分離された口蹄疫ウイルスの感染性cDNAクローンの構築

タイトル 2010年に日本で分離された口蹄疫ウイルスの感染性cDNAクローンの構築
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究部門
研究期間 2013~2016
研究担当者 西達也
小野里洋行
大橋誠一
深井克彦
山田学
森岡一樹
嶋田伸明
菅野徹
発行年度 2016
要約 2010年口蹄疫ウイルス日本分離株のゲノムを基に感染性cDNAを構築した。これを用いて得られたウイルスは、親ウイルスと同様の性状や豚への病原性を示す。
キーワード 口蹄疫ウイルス、感染性cDNA、病原性
背景・ねらい 口蹄疫ウイルスは、株によって病原性や宿主特異性等の性状が異なる。日本は2000年、2010年と近年で2回の口蹄疫発生を経験したが、2000年の発生原因株は牛、山羊、羊に対して病原性が低く、一方、2010年の発生原因株は牛、豚、山羊に対し典型的な病原性や感染力を示すウイルス株である。感染動物が症状を呈するとウイルスの排泄量が多くなるため、伝播力が高くなり、より甚大な被害を畜産業にもたらす。本研究では、口蹄疫ウイルスの病原性や感染・増殖に関与する遺伝子の探索・解析に必要な感染性cDNAの構築を目指す。
成果の内容・特徴
  1. 構築した感染性cDNAクローンは、2010年口蹄疫発生時の材料から得られたO/JPN/2010株(親ウイルス)のゲノムRNA全長のcDNAを哺乳類動物細胞発現プラスミドベクターに組み込んだものである。これを哺乳類動物細胞に導入することにより、感染性を有するウイルスを得ることが可能である(図1)。
  2. cDNA由来ウイルスは、豚胎子腎株化細胞において親ウイルスと同様の増殖性を示す(図2)。
  3. cDNA由来ウイルスを接種した豚は、親ウイルスを接種した豚と同様の症状、ウイルス排泄ならびに抗体応答を示す(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. この感染性cDNAを用いて、人為的に遺伝子を欠損させたウイルスや、性状の異なる株との遺伝子組換えウイルスを作出することによって、病原性や感染・増殖に関与する遺伝子を明らかにできる。その結果得られたデータは、迅速な流行ウイルスの性状予測や新規ワクチンの開発に活用されることが期待される。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/niah/2016/niah16_s07.html
カテゴリ 山羊

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