香りに特徴がある緑茶用新品種候補「野茶研04号」

タイトル 香りに特徴がある緑茶用新品種候補「野茶研04号」
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹茶業研究部門
研究期間 2014~2017
研究担当者 吉田克志
根角厚司
荻野暁子
山下修矢
佐波哲次
発行年度 2017
要約 野茶研04号は普通煎茶の製法で、特徴的な甘い花の香りと滋味に優れた系統である。「さえみどり」並みの早生で、花の香りを有する「そうふう」と比べ、収量が多く、香気と滋味が優れる。
キーワード 野茶研04号、緑茶品種、早生、高品質、花香
背景・ねらい 現在、実需者や消費者から、特徴的な香りの緑茶品種が求められている。既存の品種を用い、加工法を工夫して、香気を発揚させた新香味茶の開発は多いが、普通煎茶の製法で香りが強い品種は少ない。そこで、従来の緑茶品種とは異なる、特徴的な香りが強く、滋味に優れた緑茶用品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 野茶研04号は花香の強いFYZ-41を種子親、早生で製茶品質に優れる「さえみどり」を花粉親として、1998年に交配したF1実生群の中から選抜した系統である(図1)。一番茶新芽は鮮緑で、芽揃いに優れる(図2)。
  2. 樹姿は「やや開張」、樹勢は「やや強」で、芽重型である。一番茶萌芽期は「やぶきた」に比べ13日早く、摘採日は8日早い早生系統である(表1)。育成地における生葉収量は全茶期を通じて「さえみどり」より少なく(表1)、系適試験における他の研究機関の収量も「さえみどり」より少ない場合が多い。製茶品質は全茶期で「さえみどり」と同等以上であり、香気は特徴的な甘い花香が強く、滋味にうま味が感じられる(表1)。
  3. 裂傷型凍害抵抗性は「やぶきた」並であるが、赤枯抵抗性は「やや弱」で「やぶきた」に劣り(表1)、総合的な耐寒性は弱と判断される(表1)。
  4. 耐病性は炭疽病に対して「やや弱」、輪斑病に対して「中」、赤焼病に対して「弱」、もち病に対して「やや強」である(表1)。クワシロカイガラムシは「やぶきた」並の発生が認められる。
  5. 「そうふう」と比較した場合、収量、製茶品質、特に花香の強さと滋味は「そうふう」より優れる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 本系統は早生で耐寒性が劣るため、主に南九州以南の暖地での栽培に適しており、温暖地では導入に際し、茶園の立地条件等を慎重に判断する必要がある。
  2. 本系統は芽重型になりやすいため、芽数を増やす栽培管理が必要である。
  3. 短期間(7日程度)の被覆栽培を行った場合も、特徴的な花香は強い。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nifts/2017/nifts17_s18.html
カテゴリ 加工 栽培技術 新品種 耐寒性 炭疽病 抵抗性 凍害 品種

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