ブドウの脱粒を防止可能な包装方法の開発

タイトル ブドウの脱粒を防止可能な包装方法の開発
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門
研究期間 2012~2017
研究担当者 北澤裕明
永田雅靖
明石秀也
発行年度 2017
要約 異なる径の貫通穴を有する緩衝材シートを層状に積み重ね、形成された空間にブドウの果房を収納することによって、輸送中の脱粒発生を大幅に軽減可能な新規包装方法を開発する。ブドウの国内における長距離輸送だけでなく、海外への輸出にも活用できる。
キーワード ブドウ、脱粒、流通、包装、衝撃
背景・ねらい ブドウの流通時において、衝撃や振動により果粒と果柄とが離れる'脱粒'が発生することがある。脱粒は、商品価値を著しく低下させることから、ブドウの流通において脱粒を防止することは極めて重要である。本研究は、ブドウ輸送中の衝撃による脱粒発生の防止を目指したものである。
流通中の衝撃や振動による脱粒発生を防止するためには、段ボール箱などの包装容器内の隙間を極力減らすことが有効である。しかし、ブドウ果房の形状および大きさは様々であるため、フルーツキャップなどの従来の緩衝材を用いる場合や、スポンジなどの塊にブドウの形状を模した貫通穴を開け、そこに果房を収納する方法では、包装容器内の隙間を完全に解消することは難しい。そこで、様々な果房の形状および大きさに対応すると同時に包装容器内の隙間を大幅に解消する方法として、異なる径の貫通穴を有する緩衝材シートを層状に数枚積層し、それらによって形成される空間内に果房を収納する包装方法を開発し、その脱粒発生の防止効果について検証する。
成果の内容・特徴
  1. 外箱に、一般的な果房の包装に用いられている段ボール箱(図1)が使用できる。
  2. 果房の大きさや形状によって、異なる径の貫通穴を有する緩衝材シート(発泡ポリウレタン製)の組み合わせを自在に変更することができる(図2)。このことによって、いかなる大きさもしくは形状の果房であっても、確実に箱内の隙間を埋めることが可能であり、あらゆる方向からの衝撃による脱粒の発生を大幅に軽減できる(図3)。
  3. フルーツキャップ(図1中、矢印)の使用を省略できる。
  4. 段ボール箱の短側面を下にした状態でも果房の整列を崩さず輸送することが可能となるので、開発した方法を携行輸送用の包装容器に実装することができる。
  5. 4で述べた特長および長側面を下にした状態での緩衝性能の高さ(図3)によって、段ボール箱の積み付けパターンを増やすことが可能となるため、トラックや船舶による大型コンテナ等を用いた輸送における、積載効率の向上が期待できる。
成果の活用面・留意点
  1. 緩衝材シートの素材、貫通穴の大きさおよび形状のパターンについては、最適化の余地がある。
  2. 緩衝材シート1枚あたりの厚さや積み重ね枚数などの条件については、果房の形状および大きさを考慮して最適なものを選択する必要がある。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nfri/2017/nfri17_s13.html
カテゴリ ぶどう 輸出 輸送

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