味覚センサを用いた抱卵および軟甲ガザミの味覚評価

タイトル 味覚センサを用いた抱卵および軟甲ガザミの味覚評価
担当機関 岡山県農林水産総合センター水産研究所
研究期間 2016~2017
研究担当者 村山史康
佐藤二朗
東畑 顕
石田典子
発行年度 2017
要約 ガザミのブランド化を目的として、甲羅が硬いガザミ(硬ガニ)と抱卵および軟甲ガザミ(抱卵・水ガニ)の味の違いを調べるため、味覚センサによる分析を行った。その結果、抱卵・水ガニは硬ガニに比べて旨味や美味しさが有意に劣っており、官能検査の結果とほぼ一致していた。さらに、これらのガザミは硬ガニに比べて核酸関連化合物や遊離アミノ酸量が有意に少ないことが分かった。
背景・ねらい 瀬戸内海におけるガザミPortunus trituberculatusの水揚げ量は全国有数で、岡山県においても重要な魚種の1つであるが、抱卵および水ガニが増加する夏~秋季には、これらの個体が混獲されて流通する事例があり、資源管理型漁業やブランド化を推進するうえで問題となっている。そこで、本研究では硬・抱卵・水ガニにおける味覚の差を調べた。
成果の内容・特徴
  1. 2015年12月および2016年7~9月に岡山県内で漁獲された雌ガザミを硬・抱卵・水ガニに分け、各10~11個体を分析に供した。外部形態を計測後、基節部筋肉を取り出し、3~4個体を1ロットとして3ロットずつ-80℃で冷凍保存した。その後、熱水抽出エキスを作成し、味覚センサによる分析に加え、核酸関連化合物および遊離アミノ酸分析を行った。さらに、作製したエキスを用いて被験者12名を対象に2点嗜好識別法による官能検査を行った。
  2. 味覚センサによる分析では、甘味、苦味、旨味、塩味の項目で差が見られた。特に旨味については、抱卵・水ガニは硬ガニよりも有意に劣っていた(p < 0.01)。
  3. 核酸関連化合物および遊離アミノ酸分析では、抱卵・水ガニは硬ガニに比べて旨味に関与するイノシン酸が有意に少なかった(p < 0.01)。また、水ガニは硬・軟甲ガニに比べて甘味に関与する遊離アミノ酸(グリシンやアラニン等)が有意に少なかった(p < 0.01)。
  4. 官能検査では、抱卵・水ガニは硬ガニに比べて総合的な美味しさが有意に劣っていた(p < 0.05)。
成果の活用面・留意点 これらの結果から、抱卵・水ガニは硬ガニに比べて美味しさが劣り、その原因として筋肉中の呈味に関与する遊離アミノ酸等の減少が考えられた。今後、地元漁協や魚市場に情報提供を行い、抱卵・水ガニにおける再放流の促進やブランド化基準の作成に努める。
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=7070&YEAR=2017
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