大豆の短茎化に寄与する短節間遺伝子

タイトル 大豆の短茎化に寄与する短節間遺伝子
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2010~2018
研究担当者 大木信彦
佐山貴司
石本政男
横田侑子
加賀秋人
髙橋将一
高橋幹
発行年度 2018
要約 大豆遺伝資源「Y2」の短節間遺伝子qSI13-1は、節数、開花期、成熟期に影響を与えずに節間長を短くする効果を持つ。この遺伝子は、主茎長を短くして耐倒伏性を向上させた品種育成に寄与できる。
キーワード 大豆、節間長、耐倒伏性、量的形質遺伝子座
背景・ねらい 大豆の倒伏は最大の収量低下要因の一つであり、耐倒伏性付与は重要な育種目標の1つとなっている。一方主茎長は、倒伏と相関があり、一般的に早播などで主茎長が伸びる場合は倒伏が激化する傾向にある。大豆の耐倒伏性を向上させるには、短茎の早生系統の育成が有効であるが、収量構成要素である節数を減少させるため、減収してしまう。そこで、本研究では節間長を短くする遺伝子を探索し、節数を減らすことなく短茎化できる遺伝子の探索とその効果の検証を行う。
成果の内容・特徴
  1. 「フクユタカ」と比較して節数が多いにも関わらず主茎長が短く、平均節間長が短い大豆遺伝資源「Y2」(農研機構ジーンバンク保存番号:JP 29531)である(表1)。
  2. 「フクユタカ」と遺伝資源「Y2」の交配後代を用いた遺伝解析により、節間長を制御する量的形質遺伝子座、qSI13-1(quantitative trait locus for short inter-node on chromosome 13)が第13番染色体上に座乗する。
  3. DNAマーカーを用いた連続戻し交配により、qSI13-1を「フクユタカ」に導入した準同質遺伝子系統(BC5)は、主茎節数、開花期、成熟期、収量、子実品質は「フクユタカ」と同等でありながら、主茎長が10cm弱短い(表2、図1)。
  4. 「Y2」を交配親として開発した「九系515」、「九系517」、「九系518」は、密植栽培条件で「フクユタカ」と同熟期でありながら15cm短茎であり、耐倒伏性に優れる(表3)。また、「九系515」、「九系517」、「九系518」の節数、最下着莢節位高は「フクユタカ」と同程度であり、収量性は同等以上である。
成果の活用面・留意点
  1. qSI13-1を用いることで収量性等の重要形質に影響を与えずに短茎化し、耐倒伏性を向上させた品種育成に寄与できる。
  2. 耐倒伏性には主茎長以外の要因もあるため、他の耐倒伏性遺伝子と組み合わせることで、より高い効果が期待できる。
  3. 短茎化しても条件によって倒伏することもあり、また短茎化により被覆度が不足し、雑草発生が生じることもあるので、密植栽培など適切な栽培法と組み合わせて活用する。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/karc/2018/karc18_s07.html
カテゴリ 病害虫 育種 遺伝資源 栽培条件 雑草 大豆 DNAマーカー 品種

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