寒冷地南部の水田作複合経営での自動操舵システム載せ替え利用

タイトル 寒冷地南部の水田作複合経営での自動操舵システム載せ替え利用
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業研究センター
研究期間 2016~2020
研究担当者 関正裕
塩谷幸治
山本亮
建石邦夫
加藤仁
発行年度 2020
要約 既存のトラクタや田植機などに自動操舵システムを載せ替えて利用することにより、水稲だけでなく大豆、大麦、エダマメなどの多品目・多作業にて作業精度の高いスマート農業が可能となる。
キーワード スマート農業、自動操舵システム、載せ替え利用、多品目多作業
背景・ねらい GNSSガイダンスや自動操舵システムは経験の浅いオペレータでも熟練者並みに農機の操作が可能となることから、労働力不足解消手段としての期待は大きい。これらの装置は既存のトラクタや田植機などに後付けするもので、農機本体の更新等の時期に影響されずに導入でき、その費用負担は農機本体価格がないぶん相対的に小さい。特に自動操舵システムを複数のトラクタや田植機に載せ替え利用すれば、更に費用負担は小さくなる。そこで、本研究では寒冷地南部での水田作複合経営にて自動操舵システムの活用と自動操舵システムの載せ替え利用における導入効果を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.寒冷地南部の水田作複合経営においてGNSSガイダンスや自動操舵システムは多品目、多作業に活用することができる(図1)。
2.自動操舵システムはGNSSガイダンスディスプレイ(以下、ディスプレイ)、2周波GNSS対応アンテナ(以下、アンテナ)ガイダンスコントローラー(以下、コントローラ)、自動操舵用ハンドル(以下、ハンドル)から構成される。これらを異なる機械で載せ替える場合、設定変更に要する時間は23分程度となる(表1)。ただし、それぞれの機械に対して、ディスプレイ、コントローラ、ハンドルを固定する取付台座および接続ケーブル類については事前に常時設置しておき、初期設定を済ませておく必要がある。
3.水稲移植、乾田直播、大豆・大麦の耕うん同時畝立て播種にて自動操舵システムを活用した結果、作業の誘導を行う補助員が不要となるため、水稲移植では人員を25%減、水稲乾田直播と大豆・大麦播種では1人で作業が可能となる。耕うんや代かきに活用した場合、直進性が高いため作業機の重ね幅を10cm程度まで削減でき、作業時間は耕うんでは13%、代かきでは6%程度短縮できる。
4.枝豆の直播と収穫にて自動操舵システムを活用した結果、播種と直装型の収穫機での作業においても直進性の高い作業が行える。自動操舵システムで作業を行った播種の走行基準線(ABライン)を利用して収穫作業を行うことで刈り残しは13ポイント低減する。
5.約40ha規模の水稲と大豆を栽培する水田作経営で、自動操舵システムの作業時間延長機能の効果検証の分析として、1haの大区画を団地化した場合等を前提に、規模拡大の隘路となる5月の水稲代かき(OP1名)と移植作業(OP1名+補助1名)の競合時期に、本機能を活用(5月の各旬単位に15時間の労働制約量追加)し約3ha以上の規模拡大で導入費用の年額負担を回収できることを提示している(表2、3参照)。
成果の活用面・留意点 1.普及対象:スマート農業導入を考えている生産者
2.普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:本州以南の水田作複合経営体
3.その他:
自動操舵システムは株式会社ニコン・トリンブル社のCFX-750を利用しているが、後継機種のGFX-750でも載せ替え利用は可能である。なお、他のメーカーの自動操舵システムについてはメーカーへ問い合わせること。
図表1 244560-1.png
研究内容 https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/carc/2020/20_006.html
カテゴリ えだまめ 大麦 乾田直播 規模拡大 経営管理 収穫機 水田 水稲 大豆 播種

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