アフリカ豚熱ウイルスの感染動態・伝播様式および感染豚の特徴的な病変

タイトル アフリカ豚熱ウイルスの感染動態・伝播様式および感染豚の特徴的な病変
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究部門
研究期間 2016~2020
研究担当者 生澤充隆
山田学
舛甚賢太郎
亀山健一郎
山添麗子
國保健浩
山川睦
久保顕志
岩田啓
田村愛子
日比浩之
白鳥孝佳
小泉舜史郎
大橋浩介
発行年度 2020
要約 アフリカ豚熱ウイルスは筋肉内接種であれば極めて微量でも感染が成立する。接種ウイルス量に応じて接種後2~5日程で発症し、特徴的な脾臓および胃周囲リンパ節の暗赤色化と腫大が認められる。同居試験では、ウイルス未接種の同居豚は10日前後で発症し、同様の特徴的な所見を示す。
キーワード アフリカ豚熱、感染ウイルス量、特徴所見、病理、感染動態
背景・ねらい 近年アジア・ヨーロッパで猛威を振るうアフリカ豚熱(ASF)の国内への侵入の脅威が高まっている。ひとたび侵入を許せばその制圧は困難であり、水際での防疫や早期の摘発が重要となることから、診断の根拠となる病変の特定とウイルスの感染動態・伝播様式の把握は喫緊の課題である。本研究では近年アジア・ヨーロッパで流行しているASFウイルス株を用いることで、近年流行株における診断および防疫対応の指針となる知見の収集を目的とする。
成果の内容・特徴 1.種々の量(0.1~106 HAD50)のASFウイルスを筋肉内に接種すると、接種ウイルス量に応じて数日程度の差はあるものの、全例で感染・発症が認められる(図1)。
2.発症豚では発熱、元気消失、血液が固まりにくくなるといった症状を示し、脾臓と胃周囲リンパ節が大きく腫れ、色は暗赤色から黒色を呈する(図2)。
3.感染豚(ASFウイルス103HAD50筋肉内接種豚)は主に鼻汁・唾液中にASFウイルスを排出しており、これらを介し経鼻的・経口的に同居豚は感染し、同居開始から10日前後で発症する(図3)。
4.同居感染豚においても筋肉内接種豚と同様の症状、特徴病変が認められる。同居豚に認められた所見は農場での自然感染経路を模していることから、これらの特徴は野外例の摘発に活用できる。
成果の活用面・留意点 1.普及対象:家畜保健衛生所等の病性鑑定施設、臨床獣医師、養豚農家
2.普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:都道府県
3.その他:
本成果は「アフリカ豚熱に関する特定家畜伝染病防疫指針」及びその別紙1「アフリカ豚熱の診断マニュアル」に収載されている。また作成したリーフレットは農林水産省消費・安全局動物衛生課を通じて各都道府県に周知されている。
図表1 244683-1.png
研究内容 https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/niah/2020/20_039.html
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